昨日,CRIC(社団法人著作権情報センター)の研究会で,題記の講演を聴いてきた(講師:山本隆司弁護士)。 途中,かなり難しい議論もあったので,いつものCRIC研究会に比べるとニッチでレベルも高いと感じた。私も,どれだけ正確に理解できたか自信がない。 そもそも,今の著作権法の枠組みの中では「アクセス権」という考え方はない。例えば,本屋で小説の立ち読みをすることは小説という著作物の鑑賞を行うことになるが,これを権利者の許諾なくして行っても,著作権侵害にはならない。ネット上の動画コンテンツをストリーミングによって視聴することも同様に著作権侵害にならない(一部,違法ダウンロードに関する規制はある)。 ところが,自宅にある小説を裁断して電子化したとする。この段階では複製を伴うから,著作物の利用行為に該当するが,個人的な使用目的であれば,原則として適法だ(著作権法30条1項)。これをさらに,他人にメー