人物が無断撮影される。このとき問題になるのが「肖像権」だ。この権利で、写される人物は「みだりに容姿を撮影される」のを拒否できる。公道でのデモを警察に撮影され、それを権利侵害と訴えた「京都府学連デモ事件」の最高裁判決(1969年12月24日)で初めて認められた権利だ。“肖像権保護法”があるわけではないが、判例によってプライバシーの基本的な権利として保護されてきた。 その後、高速道路での監視装置で車や運転手が撮影された事例や、大阪のあいりん地区に設置された街頭カメラの事例で、無断撮影があっても「公共の福祉に適う」と認められれば制限を受けるとの判例が出されてきた。しかし基本的には、肖像権は場所を問わず配慮されるべきもの。つまり公共の場にいる人物であっても、無断撮影はできないのだ。 撮影者から見て、肖像権を侵害しないために必要なことは何か。顔が写り込まないようにするか、相手に撮影の同意を取るかだ。