自民、公明両党の実務者による「安保3文書」改定に向けたワーキングチームの会合。反撃能力の保有について議論した=25日午後、国会内(矢島康弘撮影) 政府による国家安全保障戦略など「安保3文書」の改定作業が大詰めを迎える中、今後の日本防衛の在り方について、防衛省のシンクタンクである防衛研究所の千々和泰明主任研究官に聞いた。 千々和泰明・防衛研究所主任研究官◇ 昭和51年に閣議決定された「防衛計画の大綱」で示された「基盤的防衛力構想」は時代によってかなり変わっているし、解釈もいろいろある。最初の基盤的防衛力構想には3つの考え方があった。 1つ目は機能面でも地理的にもバランスのとれた防衛力という柱だ。2つ目が「限定的かつ小規模な侵略は独力で排除する」という、冷戦時代にずっと言ってきた考え方。3つ目が、当時はデタント(米ソ冷戦の緊張緩和)の時代だったので、状況が変われば防衛力をエクスパンション(拡大