安倍晋三首相は20日の講演で、15日の日露首脳会談でプーチン大統領に手渡した北方四島の元島民からの手紙は、70歳を超えてからロシア語の勉強を始めた元島民の書いたものだったことを明らかにした。首相は「元島民にとって自分たちの思いがやっと大統領に初めて伝わった瞬間だった」と振り返った。 首相は、元島民らと12日に公邸で懇談した際、「島に住むロシア人たちに自分たちのような故郷を追われる経験をさせたくはない。今はロシア人たちと一緒に住むことができると思っている」と打ち明けられたことを紹介し、「胸を打たれた」と述べた。 その上で「恩讐(おんしゅう)を超えて北方四島を日本人とロシア人の友好の象徴の島にする。これは偽らざる元島民の皆さんの気持ちだ」と述べ、「元島民の真剣な思いをプーチン氏もしっかりと受け止めた」と語った。