[東京 17日 ロイター] - 日銀は17日、金融システムの現状と展望をまとめた「金融システムリポート」を公表した。分析によると、これまでのペースで企業の借り入れ需要が減少を続ける場合、10年後には地域銀行(国内基準行)と信用金庫の半数以上が最終利益で赤字に転落。5年後にリーマン・ショック並みの危機が発生するケースでは、半数超の地域銀行(同)の自己資本比率が6%以下(規制水準は4%)に低下する厳しい結果となった。 リポートでは、日本の金融システムの現状について「全体として安定性を維持している」との判断を維持したが、地域金融機関を中心に信用力が低めの「ミドルリスク企業」向けの貸し出しが増加しており、「総じてリスクアセット拡大に見合った収益を確保できておらず、自己資本比率、ストレス耐性は緩やかに低下している」と分析した。 預貸金業務といった本業収益が低下を続けるもとで、収益を下支えしてきた信用