【この記事のポイント】・EVは電池を積むほど性能も重さも増す・タイヤ摩耗で生じる粒子状物質は3割増・粉じんのリスク抑制へ各国で規制議論車が重くなっている。世界で普及する電気自動車(EV)はバッテリーの重さと性能が比例する。ガソリン車に比べるとタイヤが摩耗しやすくなり、粉じんのもとになる粒子状物質が3割増えるとの試算がある。排ガスを抑えたはずのエコカーが環境の重荷となる皮肉な構図が浮かぶ。乗用車
日本の食卓には古くから魚介類が欠かせない。だが気候変動などによって海水の温度が変わり、この国の海から魚たちが消えている。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が日本の漁業について報じた。 漁獲量の減少が止まらない日本 毎年7月が終わりに近づくと、テラダ・ノリオら牡蠣の養殖業者たちは、輪っか状の針金につないだ何百枚ものホタテの貝殻を浜名湖の水中に沈める。 貝殻に付着した小さな黒い牡蠣の稚貝は成長し、およそ1年半後に収穫される。しかし牡蠣たちはまず、過酷さを増すばかりの海洋環境を生き抜かねばならない。 近年、海洋環境の悪化によって牡蠣の生産量は激減しており、日本中の漁師を動揺させているのだ。 「牡蠣の養殖には100年以上の歴史があります。ですが、これほど多くの個体が死滅するのを見るのは初めてです」とテラダ(64)は言う。記録的な不漁に見舞われた3年前には、水揚げ量は例年の10分の1まで落ち込んだ。
ここ1、2年で、自然災害を何でも気候変動のせいにする風潮が高まった。国連トップのアントニオ・グテーレス事務総長は「世界各地の異常気象は全く自然の現象ではない。CO2による人為的な気候変動のために災害は過去50年間で5倍になった」といった発言を繰り返している。 だが、これは全くの偽情報だ。 気象観測のデータを見ると、台風もハリケーンも頻発化や激甚化など起きていない。大雨の人為的な激甚化なども起きていない。 最近、よく「日本の大雨が増えた」と報道されるが、それはアメダスが整備され始めた1976年ごろと比べてのことだ。そのころは、たまたま雨量が少なかったのだ。その前の50年代の年間雨量は、ここ10年とほぼ同じだった。雨量はもともと自然変動が大きいのだ。 「50年間で5倍」になったのは災害の「報告件数」に過ぎない。過去50年で世界の人口は増え経済は成長したので、より多くの人々や財産が災害に遭うよう
福島第一原発の敷地内で保管されている処理水は130万トンを超え、スペースがなくなりつつあるPhoto: The Guardian via YouTube 福島第一原発の「処理水」を海洋放出するという日本政府の決定については、国内のみならず近隣諸国からも懸念の声が上がっている。 【動画】福島第一原発から海洋放出される「処理水」について説明した政府作成の動画 放射能汚染の専門家であり、チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故による環境への影響を調査する国際プロジェクトなどをリードしてきた、英ポーツマス大学のジム・スミス教授は、オンラインメディア「カンバセーション」に寄稿し、日本のこの決定を支持する理由を説明している。 2011年、日本の太平洋に面した福島第一原子力発電所では、地震による津波を原因とする大事故が起こった。事故後、大量の放射性物質が放出されたことで海洋汚染が起こり、この地域の水産業
「CO2排出ゼロ」とロシア依存 ここ数年、金融業界では環境問題が流行っていた。キーワードは「気候危機」「脱炭素」「SDGs」「ESG」「ネットゼロ」といったものだ。 2021年末のグラスゴー国連気候会議(COP26)では「ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟」(GFANZ)が結成された。気候変動によって金融機関の資産がリスクにさらされると喧伝されたが、それは怪しげなシミュレーション計算による、根拠の乏しいものだった。 英国の中央銀行であるイングランド銀行は、英大手金融機関の気候変動リスクを測るストレステスト(健全性審査)を実施している。最悪の場合、2050年までの累計で3340億ポンド(約53兆円)の気候変動関連の損失が生じるとの推計が示された。 また世界の主要な金融機関は、こぞって、投融資のポートフォリオにおいて2050年までにCO2排出をゼロにすると宣言した。 先進国の政府は国内の化石
ロシアによるウクライナ侵攻で1989年来の束の間の平和が崩れて東西冷戦に逆戻りし、グローバル化のボーナスがことごとくオーナスに転じたばかりか、西欧消費国側が仕掛けた脱化石燃料のリープフロッグ謀略もパラドックスと化した感がある。 いまや温暖化など環境問題の解決に向けた脱化石ブームのウラで起きていた“不都合な真実”がすべてめくられた――。では、誰が何のために何をしていたのか。そんな世界中にはりめぐされた「複雑系の因果関係」をレポートするのが、流通ストラテジストの小島健輔氏だ。 インフレとカントリーリスクが世界を席巻 2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、1989年11月9日の東西ベルリンの壁崩壊に発する東西冷戦の終結という現代史における束の間の平和をいとも簡単に葬り去った。 プーチンが開いたパンドラの箱には、東西冷戦終結以来、溜まりに溜まった東西間・南北間・貧富間・先進消
先月末から始まり、現地時間で今月13日に閉幕した、地球温暖化対策の国際会議COP26。不十分な内容ではあるが、全世界が破局的な温暖化の被害を未然に防ぐため、より前向きなかたちで合意したとも言える。だが、日本のニュースサイトに配信される、一部の新聞や雑誌の記事は、この期に及んでなお、一部の政党や業界に忖度し、環境活動家グレタ・トゥーンベリさんや温暖化対策に熱心な欧州諸国を揶揄する、極めて質の低いものだった。ジャーナリズムの役割として、権力を監視し、社会をより良い方向へと導くというものがある。日本政府の詭弁を擁護し、もはやフェイクとも言える様な周回遅れのロジックを拡散するようなメディアに存在意義はあるのだろうか。 ○脱石炭は最優先課題に COP26での合意として、主に「世界平均気温の上昇を1.5度に抑える」「石炭火力発電を段階的に削減する」というものがある。1.5度以上の世界平均気温の上昇は、
【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)で3日、プラスチック製や発泡スチロール製の使い捨て食器や食品容器の市場流通を禁止することなどを盛り込んだ新規則が施行された。欧州委員会は海洋ごみの80%がこうしたプラごみだとしており、新規則実施で欧州の海岸を汚すごみが70%減ると推計している。 【写真】長さ1ミリ、北極海に大量の繊維状プラごみ EUは世界のプラごみ対策の主導権を握る構え。欧州委のティメルマンス執行副委員長は新規則について「人々の健康と地球を守る後押しとなり、持続可能なビジネスを刺激し、循環型経済に近づく」と述べた。 禁止対象は外食産業の使い捨てスプーンやストロー、皿など海岸を汚す上位10品目を選んだ。
1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。 オランダの裁判所は26日、世界的な石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルに対し、同社が計画するよりも早く大幅に温暖化ガス排出量を減らすよう命じた。シェルへの打撃となるだけでなく、世界の化石燃料業界に影響が広がる可能性がある。 シェルは温暖化ガス排出量を2030年までに20%減らし、50年までに実質ゼロとする方針。それでは不十分だとして、ハーグの裁判所は30年までに19年比で45%の排出量削減を命じた。 この判決はシェルグループ全体に適用されると、同裁判所は説明。シェルは新たな目標を達成するために、現行の気候変動対策や資産売却方針を劇的に加速する必要性が生じる見通し。気候変動関連の訴訟が業界で相次ぐ中で、今回の判決は他国でも注目されそうだ。
菅義偉総理の宣言によって、2050年カーボンニュートラルへの動きが本格化した日本。この動きについて、脱炭素を軸にした経済成長の必要性を訴え続けてきた小泉進次郎環境大臣はどう見ているのだろうか。2019年12月のCOP25では、後ろ向きな日本の気候変動対策が世界中から批判を浴びた。「日本はガラパゴスへの道をぎりぎりで踏みとどまった」と語る胸の内を聞いた。 小泉進次郎[こいずみ・しんじろう]氏 1981年生まれ。関東学院大学卒業後、米コロンビア大学にて政治学修士号を取得。米戦略国際問題研究所(CSIS)研究員を経て、2009年衆議院初当選。17年までに4回の当選を果たす。19年9月から現職。内閣府特命担当大臣(原子力防災)も兼務する。(写真=竹井 俊晴、以下同じ) 菅義偉総理が昨年10月に2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げて以降、日本でも脱炭素を意識した動きが加速していま
2020年12月、環境問題について話し合う政府の会合で、日頃からSDGsについて発信をしているモデルのトラウデン直美さん(21)が提案した内容だ。
スリランカ沖で出火した大型タンカー「ニュー・ダイヤモンド」の消火活動。スリランカ空軍提供(2020年9月8日撮影)。(c)AFP PHOTO / Sri Lankan Air Force 【9月9日 AFP】スリランカ沖で火災を起こした大型タンカーから、ディーゼル燃料が流出し始めた。同国の海軍当局が8日、明らかにした。大規模な環境災害につながる懸念が高まっている。 パナマ船籍の大型タンカー「ニュー・ダイヤモンド(New Diamond)」は27万トンの原油と1700トンのディーゼル燃料を積み、クウェートからインドの港に向かう途中、3日に出火した。 スリランカ海軍は、同国の東海岸から約55キロの海上に浮かぶタンカーの近くでディーゼル燃料の流出が確認されたと発表。流出の規模は明らかにしていない。現場にはインド沿岸警備隊の航空機が派遣され、環境被害を最小限に抑えるための分散剤を散布する予定だとい
え……小泉大臣「レジ袋有料化に環境効果なし!」(キリッ) 7月29日にBSフジのプライムニュースで60代視聴者女性から小泉進次郎環境大臣に率直な質問が行われた。その質問内容は、 「レジ袋の有料化で買い物が不便極まりなくなりました。そもそも食料品をマイバックに入れるのは不潔です。レジ袋はゴミ捨てにかかせず便利で有用です。ごみを入れたまま燃やすことにも問題ないと思います」 という明確なものであった。これに対して、小泉大臣は下記のように明確に答えている。
CULTURE | 2020/07/06 ヨーロッパで、日本発「宮脇方式」の植樹が急速に拡大。従来の10倍の速さで成長し、地球環境保全の切り札に 2018年に宮脇方式で植樹されたベルギーのミニ森林 文:仲田拓也 生物や植物の多様性を保護したり、地球温暖化の原因の... 2018年に宮脇方式で植樹されたベルギーのミニ森林 文:仲田拓也 生物や植物の多様性を保護したり、地球温暖化の原因の二酸化炭素を吸収したり、地球環境にとって重要な存在である森林。しかし、現実には森林の面積は減少しているのが現実だ。 そんな中、日本の植物学者が考案した植樹方法が注目を集めている。 日本生まれの植樹手法「宮脇方式」 世界的に森林が減少する現状にゲームチェンジャーとして注目を集めているのが、日本の植物学者である宮脇昭氏の研究に基づいた「ミニ森林」だ。宮脇昭氏はその土地本来の樹木に、さまざまな種類の植物を混ぜて植樹を
インド洋のクロゼ諸島・ポゼション島のオウサマペンギン(2018年2月26日撮影、資料写真)。(c)Celine Le Bohec / CNRS / AFP 【5月15日 AFP】南極(Antarctica)近辺に生息するオウサマペンギン(キングペンギン)のふんから、「笑気ガス」とも呼ばれる亜酸化窒素が大量に排出されていることが分かったとする論文が14日、デンマークの研究チームにより発表された。研究者らはこのガスのせいで、若干「おかしく」なってしまったという。 【写真特集】世界のペンギン大集合 研究を主導したコペンハーゲン大学(University of Copenhagen)地球科学・自然資源管理学部のボー・エルバリング(Bo Elberling)教授は、「ペンギンのふんの堆積物(グアノ)は、集団繁殖地の周辺に亜酸化窒素を発生させる」と説明した。 研究者らが南米大陸と南極の間の大西洋に浮か
だが恐ろしいことに、今回のアクション・サミットでは、政府、投資家、企業から、ものすごい数のコミットメントがあったにもかかわらず、日本の報道機関はその内容をほぼどこも報じないという異常事態が発生している。 サミットで、「あなた方は、その空虚なことばで私の子ども時代の夢を奪いました」「あなた方は私たちを裏切っています」とスピーチしたグレタさん。その結果、「環境問題だけでなく経済も大切なことを大人がグレタさんに教えてあげなければいけない」と諭す意見や、「東日本大震災で原子力発電が停止した日本では、なかなか難しい議論だ」という言論が日本には溢れかえるようになった。 このような話を日本国外のビジネスパーソンや投資家にしたら、「いつまで20年前と同じ話をしているのですが。もっとアップデートしてください」と言われるのがオチだろう。 では、今回の国連気候アクション・サミットでは何があったのか。見ていこう。
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