「実践」について理論的に考えると言いつつ、コパイロツトとして最終的にわかりたいのはプロジェクトだ。ところで、現代のプロジェクトで言語が登場しないものはほぼ皆無だし、しかも言語は補助的にちょろっと登場するのではなくプロジェクトのコアを占めることが少なくない。「言葉はいらない、ハートだ」と言うような人でさえ、たとえば、プロジェクトの地位を正式なものにするためには、様々な書類と、上司・関係者への説明が必要になる。また、日常的にメンバーと言葉でやりとりしなければ、業務的にも精神的にもプロジェクトは回らない。 そういうわけで、プロジェクトについて理解したければ、実践のなかでもとりわけ言語を使う実践(言語的実践)に注目するのが一つの有望な戦略だろう。 実は、実践について理論的に考える哲学者のなかには、まさに言語を中心にして実践の理論を組み立てた人々がいる。かれらは、言語を単に数ある実践形式の一つとして