先日勤務先で一般向けの講座を行う機会を得て、「哲学と哲学史——両者は切り離せないのか」という内容で話をした。下記の記事からはじまる当ブログの一連のSauer論文記事を本題としてその前後に前置きと展望を挟むという感じの構成で、どちらかといえば利他的な動機に基づいて書いたものが結果として自分を助けてくれたかたちになった。やはり、思いついたことは(それを公開するかどうかはまた別の問題だが)とりあえず書いておくべきである。 uemurag.hatenablog.jp 今回の講座を準備するにあたっては、過去の自分に助けられたことがまだある。主要部分に先立つ前置きで哲学史と哲学の関係をめぐるさまざまな見解を引用して紹介したのだが、その少なくない部分は、2017年の日本哲学会大会シンポジウムでの発表とそれに先立って出版された論文*1のために準備したもののさまざまな事情で使わなかったものだった。そのなかで