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心理学に関するfutenrojinのブックマーク (44)

  • #105 何かを上達させたいなら他人と比較せず、失敗を恐れないことです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

    運動、外国語、料理など、どの分野においても、人並みレベルになるまでに時間がかかるという人がいます。たしかに達成が困難なことはあります。そのため、着手してもすぐにできなかったり学べなかったりすると、自分にはできないと思ったり、そもそもやる前から断念したりする自分に嫌気がさしたりすることがあります。 アドラーは詩人ウェルギリウスの「できると思うがゆえにできる」という言葉を引用しています(『子どもの教育』)。「できると思ったらできるのであれば苦労はない」といいたくなるかもしれません。アドラーは「誰でも何でも成し遂げることができる」ともいっています(『個人心理学講義』)。 このような主張をしたアドラーは批判されましたが、彼の主張の核心は、初めからできないと思ってしまうと、それが生涯にわたる固定観念になり、そのような思い込みをなくせば達成は可能であるということでした。「何でも」は言いすぎかもしれませ

    #105 何かを上達させたいなら他人と比較せず、失敗を恐れないことです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
  • 「メンタル強者」は危険? 困難を乗り越えるのに必要なのが、「前向きな精神」ではない理由(岸見 一郎)

    人生のあらゆるところにある悩みの種。仕事、人間関係、生き方や老後、恋愛に至るまで、誰もが悩みを抱えて生きている。 哲学者で、アドラー心理学を研究する岸見一郎氏の新刊『泣きたい日の人生相談』は、2016年に始まったクーリエ・ジャポンの人気企画「25歳からの哲学入門」から厳選した30のお悩みに、岸見氏が「哲学」で答える。 記事では、「精神力」について考える。「メンタルが弱い」のが悩みだ、もっと強くありたい…そんなふうに感じている人は多いのではないだろうか。しかし、「強いメンタル」には思わぬ落とし穴が隠れている可能性があるという。それは一体どういうことか? 【記事は、『泣きたい日の人生相談』から抜粋・編集してお届けする。】 「強いメンタル」がほしい Q どんな状況でも前向きに乗り越えられる、強いメンタルがほしいです。 これから何が起きるかわからない。そんな先行きが見えない未来に不安を抱えてい

    「メンタル強者」は危険? 困難を乗り越えるのに必要なのが、「前向きな精神」ではない理由(岸見 一郎)
  • 「幸せには友情が大事」なのはわかったけど、内向的な人はどうしたらいいんですか? | 内向的な人の負担にならない「社交のあり方」とは

    「幸せな人生を送るには、良好な人間関係が欠かせない」「友達の数が健康や寿命に影響する」──近年、さまざまな研究から「友情」の重要性が明らかになるにつれ、こうした言説がよく聞かれるようになった。 そうはいっても、人付き合いは好きじゃない。でも人と繋がりたい気持ちは捨てられない──そんな葛藤に苛まれている米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記者が、内向的な人がストレスなく友情を育む方法について、専門家たちに聞いた。 「友達をつくれ」なんて、とんでもない! 人と会う予定のキャンセルほど、私にとって喜ばしいものはない。 日頃から友情について取材している記者として、私はプラトニックな人間関係の利点を熟知している。たとえば、社会と強いつながりを持つ人は長生きし、ストレス耐性が高いという研究結果も知っている。 それから、当に強固な社会的関係には、仕事仲間(一日を通して「自分が仕事に専念していて、生産的な存

    「幸せには友情が大事」なのはわかったけど、内向的な人はどうしたらいいんですか? | 内向的な人の負担にならない「社交のあり方」とは
  • 幸せは(やっぱり)お金で買えた! 「年収7万5000ドルで頭打ち」説を最新研究が覆す | ノーベル経済学者が新たな理論を提唱

    ノーベル経済学者のダニエル・カーネマンが、人の幸福度は年収7万5000ドル(約1000万円)を超えると横ばいになると提唱したのは2010年のこと。だが今回、新たな研究で、その定説を覆す結果が得られたという。 2人の学者の「敵対的共同研究」 哲学者や経済学者、社会科学者たちが長年にわたり、解を見つけようとしている1つの問いがある。 「幸せはお金で買えるのか」というものだ。 米国人のほとんどにとって、答えは「イエス」のようだ。 この結論を導き出したのは、ダニエル・カーネマンとマシュー・キリングスワースという2人の著名な研究者で、3月に「米国科学アカデミー紀要」に共同研究を発表した。その結果によれば、大半の人は稼ぎが多いほど幸せになれるという。 これまでは一般的に人は収入が多いほど幸せになるが、年収7万5000ドルを超えると幸福度は横ばいになると言われてきた。いわゆる「7万5000ドルで頭打ち」

    幸せは(やっぱり)お金で買えた! 「年収7万5000ドルで頭打ち」説を最新研究が覆す | ノーベル経済学者が新たな理論を提唱
  • 行動遺伝学者ロバート・プロミン「子供の成功には、親も学校もあまり関係ありません」 | 「何冊本を読み聞かせても読解力に影響は出ない」

    私たちは自分で自分の遺伝的資質に合わせている ──DNAによって私たちの性格が形作られていることに関心を持ったのはなぜですか。 人生を振り返ってみたとき、分岐点のような瞬間があったと考える人は多いですよね。私はシカゴの中心街で育ちました。大学がどんなところなのか知る人は、家族にはいませんでした。大学に進学すれば奨学金がもらえると進路指導の担当者に教えてもらい、これは良い話だと考えてテキサス大学に出願したんです。 そのときは、この大学が行動遺伝学を必修科目とする世界唯一の大学だとは知りもしませんでした。ですが、「生涯を通じて行動遺伝学に取り組みたい」と思うようになるまで時間はさほどかかりませんでした。 クラスには30名ほどの学生がいましたが、行動遺伝学を面白がっていたのは私だけでした。おそらくそれは私の性格によるものでしょう。私は主流に歯向かうのが好きです。心理学にとって、遺伝は重要だと私は

    行動遺伝学者ロバート・プロミン「子供の成功には、親も学校もあまり関係ありません」 | 「何冊本を読み聞かせても読解力に影響は出ない」
  • #90 あなたが真剣に恋愛をしたことがないのは、対人関係を避けてきたからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

    【今回のお悩み】 「今まで一度も誰かと真剣な付き合いをしたことがありません。パートナーがほしいです」 これといった“欠点”はないはずなのに、なぜか自分にだけなかなか恋人ができない。一体何がいけないの? 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 「あとはお嫁さんだけ」といっていた人を知っています。今なお封建的な言葉を使う人がいることに驚きましたが、それはおいておくとしても、ほかの「もの」はすべて持っているのに、だけを「持っていない」といっているように私には聞こえました。 「結婚を考えている人がいるのだろうね」 「いや、そんな人はいない」 これまで誰とも一度も真剣に付き合ったことがないというのです。誰とも付き合わないで、いきなり結婚することは普通ないと思うのですが、今すぐにでも結婚できると自信満々であることに私は驚かないわけにいきませんでした。 外的な条件が整っていれば結婚できると考えていたの

    #90 あなたが真剣に恋愛をしたことがないのは、対人関係を避けてきたからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
  • 心理学者ハワード・ガードナー「小学校の低学年と最初の職場は、美徳を身につけるうえで最も重要だ」 | アリストテレスの時代からわかっていること

    ハウイーが地元の教師やラビに勧められてニュージャージー州のスティーブンス工科大学(SIT)が実施するテストを受けたのは13歳のとき。テストは、性格、職業上の技能、願望などに関するものだった。彼の知能は高そうに思われたため、両親はそのレベルを知りたかったのだ。だが、ハウイーに突出した「事務能力がある」とSITの臨床医長に告げられるとは、誰も予想していなかった。 「どうやら私が得意とし、とりわけ上手くこなしたのは、当時も今も私が“機械的”とみなす作業だったようだ」と、ハウイーことハワード・ガードナー教授(79)は記している。ちなみにこのテストは、「訓練されたサルやハトにもできるような」ごく基的なパターンを識別する設問からなっていた。 自己を肯定するためか、それとも事務の仕事に就く将来を避けるためか、ガードナーは心理学を学ぶことにした。そしてその後、まさに子供と大人の認知能力について研究するよ

    心理学者ハワード・ガードナー「小学校の低学年と最初の職場は、美徳を身につけるうえで最も重要だ」 | アリストテレスの時代からわかっていること
  • 不安が興奮に…夫はこうして「寝取られ」にときめくようになった | 【モダン・ラブ】私がセックスした人数は夫の2倍

    米紙「ニューヨーク・タイムズ」で約15年続いている人気コラム「モダン・ラブ」。読者が寄稿した物語の一つひとつから、愛おしくも複雑な人間模様が垣間見える。クスッと笑えるものから切ないものまで、毎週日曜日に1お届けする。 「男たらし」だった過去を持つ今回の書き手の夫は、に裏切られるかもしれないという不安を抱えていた。だがそれはいつしか、ある種の興奮材料になっていく。不倫浮気が「当たり前」なこの世の中で、そうして不安を緩和することは賢明なのかもしれない──。 夫とは付き合って12年になる。2人で1日中話しているし、愛し合っているだけでなく、人間としても好きだ。残りの人生も一緒にいたいと思っている。私は当にラッキーだと思う。 でもこの夏、夫が留守のある晩、男友達が家に飲みに来た。2杯目を開けた後、私は彼にキスした。彼もキスを返し始めたが、やめた。 「こんなことすべきじゃない。帰らないと」

    不安が興奮に…夫はこうして「寝取られ」にときめくようになった | 【モダン・ラブ】私がセックスした人数は夫の2倍
  • 生き別れた一卵性双生児が40年後に再会——2人のIQや性格を調べてわかったこと | 米国と韓国に別れて育った2人の類似性は?

    一卵性の双子がよく似ているのは周知の事実だが、たいていは同じ環境を共有しているため、遺伝の影響だけを切り離して分析することが難しい。だが、韓国で起きたある悲劇が画期的な研究に繋がったと、英紙「テレグラフ」が報じている。 40年前に起きた悪夢 親なら誰でも共感できるゾッとするようなシナリオの一つが、幼児が混雑した市場で迷子になるというものだ。1976年、この悪夢は韓国のある家族にとって現実のものとなった。そして40年後、この事件はある画期的な研究報告の核となる。 1976年、一卵性双生児の2歳の女の子のうちの一人が、祖母と一緒にソウル郊外の市場へ出かけたきり二度と戻ってこなかった。 行方不明になってからの数週間、両親はチラシを配ったり、行方不明者の情報を募る地元のテレビ局の番組に出演したりと、必死で娘を探そうとした。だが身元不明のまま施設に保護された女の子は、その時すでに別の家庭に引き取られ

    生き別れた一卵性双生児が40年後に再会——2人のIQや性格を調べてわかったこと | 米国と韓国に別れて育った2人の類似性は?
  • IQ228! 「世界最高の天才」に認定された女性の生活と意見 | 10歳から天才として話題に

    『ギネス世界記録』で世界一知能指数が高い人間に認定された、マリリン・ボス・サバント。そのたぐいまれなる知能はいったい、彼女の人生と考え方をどのように変えてきたのだろうか。 Marilyn vos Savant マリリン・ボス・サバント 1946年、米ミズーリ州セントルイス生まれ。米誌「パレード」のコラムニスト。小学校時代に記録されたIQ228が『ギネス世界記録』に認定されて以来、世界一知能指数が高い人間として国内外で広く知られている。 www.marilynvossavant.com ニューヨークの5番街60丁目にあるメトロポリタン・クラブは、マンハッタンらしい高級感を漂わせている。1894年、当時米国でもっとも華々しい建築家だったスタンフォード・ホワイトにこの紳士向け会員制クラブの設計を依頼したのはJ・P・モルガンで、「費用のことなど考えなくていい」と言ったとされる。 モノグラム入りの赤

    IQ228! 「世界最高の天才」に認定された女性の生活と意見 | 10歳から天才として話題に
  • 精神科医ランドルフ・ネシー「正しく絶望することで私たちは“新たな人生”を見つけられる」 | 私たちが生き抜くために、絶望が役立つとしたら?

    精神科医であるランドルフ・ネシーは、身体的・精神的な病理をダーウィン主義の観点から理解しようと努めてきた。ネシーと生物学者ジョージ・C. ウィリアムズとの共著『病気はなぜ、あるのか──進化医学による新しい理解』は進化医学の代表書として知られる。 最新の邦訳書『なぜ心はこんなに脆いのか:不安や抑うつの進化心理学』では、「ある人たちの不幸はその人たちの遺伝子を幸福にすることができる」という原則が絶えず見てとれる。フランスの週刊誌「ル・ポワン」が話を聞いた。 「何もしないこと」が最善策であるとき ──何にも絶望しないということは、生きていくうえで良い選択だと思われますか。 絶望は、到達不可能な目標を追い求めてつまずいたときに有効であり、不可欠でさえあります。絶望することで無駄な努力に終止符をうち、より建設的な目標に照準を合わせ直すことができるからです。 しかし、すべてに絶望するとすれば、それは無

    精神科医ランドルフ・ネシー「正しく絶望することで私たちは“新たな人生”を見つけられる」 | 私たちが生き抜くために、絶望が役立つとしたら?
  • #93「死」を意識するから、今日という日を丁寧に生きられるのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

    【今回のお悩み】 「平穏な日々を過ごすことができて満足しています。でも、この幸せがいつまで続くのかと思うと怖いです」 幸せだからこそ、その幸福を失いたくなくてふと不安になることはないでしょうか? 同じ状態が永遠に続くわけではないとわかっているから、怖くなる。けれど、哲学者の岸見一郎先生はそれを恐れる必要はないといいます。 今平穏な日々を過ごせるのは何よりです。そのことに満足できているのであれば、この幸せがいつまで続くのかを考えて恐れる必要はありません。なぜ恐れる必要がないのか考えてみましょう。 ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスは、子どもとの死別を何度も経験しました。 14人の子どもの多くは夭折し、成人したのは娘5人と息子一人だけでした。そこで、アウレリウスはこんなことをいっています。 「『子どもを失うことがありませんように』という人がいる。お前はいう。『失うことを恐れないように』」(『自

    #93「死」を意識するから、今日という日を丁寧に生きられるのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
  • 世界中で行われてきた「洗脳」の残忍な実験とおぞましい歴史 | 朝鮮戦争をきっかけに生まれた概念だった

    今となっては一般的な言葉である「洗脳」だが、人から意思を奪って支配するこの手法に名前がついたのは20世紀半ばのことだった。 世界中の国々がカネをかけて研究し、政治やカルト宗教にも影響を及ぼしてきた「洗脳の歴史」をひもとく。 朝鮮戦争で生まれた「洗脳」 1937年、ボリシェヴィキの幹部だったゲオルギー・ピャタコフは、ソビエト連邦に対する反逆や妨害、その他の罪により、モスクワで裁判にかけられた。その際にピャタコフは偽りの自白をし、こう宣言した。 「今ここに立つ私は堕落し、自分の犯した罪に押しつぶされ、自分のせいですべてを失い、党を失い、友を失い、家族を失い、自分自身を失った男です」 死刑判決を受けたピャタコフは、その後速やかに処刑された。そして彼と同じ運命をたどった者は他にも大勢いる。 ソ連当局は、どのようにして多くの被告人を説得し、こうした嘘の証言へと導いたのか。モスクワ裁判の傍聴者の中には

    世界中で行われてきた「洗脳」の残忍な実験とおぞましい歴史 | 朝鮮戦争をきっかけに生まれた概念だった
  • 飛行機でわざわざ「真ん中の席」を選ぶ人たちの意外な理由とは | 窓側でも通路側でもなくミドルシートを愛する人たちの言い分

    先週、ツイッターである男が話題になった。飛行機で真ん中の席に座り、カップルの間に挟まれたのだが、その居心地の悪そうな席を譲らなかったらしい。カップルの一方が、その男に通路側の席と交換しないかと提案しても、断固として動かなかったとか。 「もう正気を失いそうになったよ」と、ザック・ボーンスタインはその出来事をツイートした。「俺と彼女の間に座っている男に通路側の席を勧めたのに、彼は真ん中の席のままのほうがいいと言ったんだ」 この投稿は多くの疑問を生んだ。真ん中の席を愛するって、いったいどんな人たちなんだ? 彼らは真ん中の席で何を求めているんだ? 「真ん中の席」を見下すな! 何千ものリプライがあったなかで、その大半は「なぜ窓側や通路側よりも真ん中を好むんだ!」と理解に苦しむ反応だった。「連続殺人鬼じゃないのか?」「サイコパスか」「吸血鬼か」といった言葉を投げかける人も。 しかし少数ながら、真ん中の

    飛行機でわざわざ「真ん中の席」を選ぶ人たちの意外な理由とは | 窓側でも通路側でもなくミドルシートを愛する人たちの言い分
  • 「人に親切にすること」をそれほどためらわなくてもいい理由 | 「親切」に関する世界最大の心理学研究から見えてきたこと

    困っていそうな人に親切な行動をとろうと思ったものの、結局なにもできなかった経験はないだろうか? その気持ちを実行に移せなかった要因とは何なのか? 英サセックス大学で「親切」を研究する心理学者のクラウディア・ハモンドが、世界最大規模の心理学研究の結果からひもとく。 ある冬の朝、自転車で通勤していたときのことだ。向こうから、ビーサンに短パン姿の男性が、「ロラ」という名前を呼びながら早足で歩いてきた。 この凍える天気のなか、そんな格好で外にいるのは奇妙に思えたが、それ以上は気にせずに自転車をこぎ続けた。とつぜん、私の前を走る車が数台、急ブレーキをかけて止まった。小さいテリア犬が道路を走って横切ったからだ。 レインコートを着た女性が、おびえたその犬に向かって「わんこ、わんこ!」と叫んだ。またもや私は自転車をこぎ続けた。なんで彼女はこんな交通量の多い通りで犬のリードを外したのかと思いながら──。 そ

    「人に親切にすること」をそれほどためらわなくてもいい理由 | 「親切」に関する世界最大の心理学研究から見えてきたこと
  • #91「そこそこ」好きなのであれば、その人を「本当に」好きになるのはそれほど難しくありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

    【今回のお悩み】 「そこまで自分が夢中になっていない相手でも、好きになろうと『決心』すれば当に好きになれるのでしょうか?」 人を好きになるのも、嫌いになるのも、自分が決めていることだと岸見一郎先生は常々説いています。それでは「なんとなくいいかも」と思っている人でも、自分が心を決めさえすれば気で好きになることができるのでしょうか? 岸見先生に聞いてみました。 誰かを好きになる、あるいは嫌いになるときにはまず決心があって、そのあとその決心を後押しする理由を作り出す。これが原則です。 誰かステキな人に出会ってたちまち恋に落ちると思っている、あるいは、そんな恋愛に憧れているという人にとって、好きになろうと「決心」するのだといわれてもどういうことか少しもわからないでしょう。 なぜ恋愛が決心から始まるといえるのか。相手を好きになった理由が嫌いになった途端に、その人が嫌いな理由になるからです。たとえ

    #91「そこそこ」好きなのであれば、その人を「本当に」好きになるのはそれほど難しくありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
  • 壮大な景色に感動するほど、人はより「善良な人間」になる | 感動体験が心身の健康に及ぼす影響

    壮大な自然や音楽を前にして圧倒され、鳥肌が立つような気持ちになること。自分の存在がちっぽけなものに思えて感動すること──そうした経験を「オウ(Awe/畏怖の念)体験」と呼ぶ。 この「オウ体験」は、ただ人の心を揺さぶるだけではない。なんと性格にも影響することが研究で明らかになっているという。 人は小さなものにも「畏敬の念」を覚える 数年前、私は一人でランサローテ島に出かけてウォーキングを楽しんだ。初日に海岸沿いの坂道を歩いていて出くわした光景は、いまだに夢に見る。 巨大な黄土色の山々が空を貫いていた。黒砂のクレーターと不気味な緑色のラグーンが点在するさまは、まるで火星のよう。思わず鳥肌が立った。つかのま、私は心地よいほどちっぽけな存在になっていたのだ。休暇のあいだ、一週間毎日「オウ(Awe/畏怖の念)散歩」に出かけ、意図的に周囲に注意を向けて、未知のディテールに驚嘆するに身を任せた。 この数

    壮大な景色に感動するほど、人はより「善良な人間」になる | 感動体験が心身の健康に及ぼす影響
  • 現代人は人生に必要不可欠な「退屈する時間」を奪われている 心理学者ガディ・オンが解説 | 人間は、どんなときに退屈を感じるのか?

    常に存在する「実存的退屈」 ──「退屈」の定義はどのようなものですか? 共通した定義はないようですが。 決まった定義はありません。最も引用されている定義は、ヨーク大学の臨床心理学者ジョン・イーストウッドと彼の同僚によるものです。それによると退屈とは、「満足できる活動をしたいがそれができないという嫌悪的経験」です。 それは、たとえば行列や交通渋滞、お役所仕事など、時間と場所の必然性のもとで遭遇するたぐいの退屈です。 つまらない映画を観たときなど、自分自身が招いた退屈もそうです。押し付けられる要素が強ければ強いほど、その経験は楽しくなくなります。 あるいは、そのような仕事に就いている場合。ロアルド・ダールの『チャーリーとチョコレート工場』に出てくるチャーリーの父親は、組み立てラインで歯磨き粉のチューブにキャップをねじ込む仕事をしています。 退屈に関する心理学の研究の99%が、こうした前提でおこ

    現代人は人生に必要不可欠な「退屈する時間」を奪われている 心理学者ガディ・オンが解説 | 人間は、どんなときに退屈を感じるのか?
  • 刑務所で25年間、性犯罪者を治療してきた私が考える「彼らが二度と罪を犯さないために大切なこと」 | 性犯罪者とは本質的にどんな人たちなのか

    刑務所の中で長きにわたり重い性犯罪を犯した男性たちと接してきた筆者は、一人の女性として、また子供たちの親として、彼らと彼らが犯した罪を恐れ、日常生活でも過剰に反応するようになってしまった。それでも、彼女がこの仕事を続けてきたのには理由がある。 「ここにある質問のリストは、あなたが犯した子供への性暴力についてお尋ねするためのものです。差し支えないようでしたら、そのなかには……」と言いかけて、言葉が見つからなくなる。 「……やや突っ込んだ質問や、個人的なことに関する質問もあるかもしれません」 目の前に座っている白髪混じりの老齢の男性は、うなずきはするものの目を合わせてはくれない。私は彼と自分のどちらが、この面談をより恐れているのかわからなくなる。 凶悪犯罪者向けの重警備刑務所で、重い性犯罪を犯した男性の独房に私が残されたのはこのときが初めてだった。もうずいぶん昔のことだ。 1990年代半ば、当

    刑務所で25年間、性犯罪者を治療してきた私が考える「彼らが二度と罪を犯さないために大切なこと」 | 性犯罪者とは本質的にどんな人たちなのか
  • #76 仕事が嫌でも、その「すべて」をやりたくないわけではないはずです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

    今回のお悩み 「やりたくない仕事にどうやって向き合えばいいでしょうか」 希望した会社に入っても、念願の職種に就けたとしても、そのなかで「やりたくない仕事」というのは多かれ少なかれ、誰にでもあるでしょう。憂な気分になってしまうタスクに対して、どうやって折り合いをつけたらいいのか。 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 「やりたくない仕事はしない」というのが一番簡単です。しかし、こんなことをいうと、やりたくない仕事であってもしなければ生活できないという人は多いです。 実際その通りなのですが、最初から身も蓋もない話をしてしまうと、「この仕事はやりたくない」と思ったとき、その「やりたくない」という思いは、少なくとも「積極的にはこの仕事をしないでおこう」と決心するために作り出しているのです。 けれど、そんなふうに「やりたいくない、でも仕事をしないと生きていけない」と思って一日の大半を過ごすのは辛

    #76 仕事が嫌でも、その「すべて」をやりたくないわけではないはずです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門