ドイツのベルリンにあった売春宿「サロン・キティ」は、第二次世界大戦中にナチスのスパイの家と化した。その支配人キティ・シュミットとナチス幹部ラインハルト・ハイドリヒをめぐる新刊の共著者に、イスラエル紙「ハアレツ」が聞いた。 アドルフ・ヒトラーが1933年に権力を掌握してからほどなく、キティ・シュミットはドイツ脱出を計画しはじめた。 ベルリンに高級売春宿を開き、その支配人をしていたシュミットは、ロンドンにすでに逃れていたユダヤ人の友人3人に電信送金し、そこで売春宿を始めて稼げたらと考えていた。 だが1937年、シュミットは税務当局に呼び出され、取り調べを受ける。国外に金を密かに持ち出そうとしたとの疑いをかけられたのだ。その後、シュミットは、ロンドンへ出かけるエスコートにこっそり現金を運ばせることにする。 ナチスが自分の売春宿に戦時の協力を求めてこようなど、シュミットには思いもよらなかっただろう