2021年8月、またたく間にアフガニスタンの政権を掌握したタリバン。その姿については、暴力的で恐ろしい側面ばかりが伝えられるが、いまだ謎に包まれたままだ。そんなタリバンの戦闘員に密着取材し、意外な側面を明らかにした記事が米紙に掲載された──。 タリバンに課された新たなミッション その若いタリバン戦士は鉄製のバリケードの前に立ち、近づいてくる車の流れを警戒していた。この戦闘員モハマド・カリッド・オメル(18)はいかなる隙も許さないようにしていた。 彼が守るのは、カブール中心部にあるシーア派の聖地であるサヒー・シャー・エ・マルデンの寺院とモスクだ。そこではまもなく金曜日の礼拝が始まろうとしていた。