十二月二日(水) 上野 鈴本演芸場。昨日から五街道雲助の「雲助江戸前人情噺」の興行が始まっている。二日めの今日は「火事息子」だ。 落語の中でも、勘当息子や駄目若旦那が登場する噺が好きだ。というのも、私の母方の祖父がリアル勘当息子だったからだ。 祖父の家は松阪の紙問屋だった。随分遊んだと聞くし、キリスト教にも入信。勘当の真の理由は藪の中。また彼は母が中学生の時に他界しているので、私には未知の男だ。しかし「おじいちゃんはなあ~実家の敷居をまたげへんだんやで~」と子守唄のように聞かされてきた。だからだろうか、落語の勘当息子たちがとても他人事には思われぬ。「ああ、私はこういう輩の孫娘なのだ」と思いながらいつも噺を聞いている。 落語のなかの勘当息子は大抵、吉原に入り浸っているような駄目息子が多い。しかしこの「火事息子」はちょっと異色だ。最近の子供の教育や育児方針でよく耳にする、「子供の可能性を伸ばす
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