去年の5月、NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』が、歌人の俵万智さんに密着した話と、その番組が、俵万智さんのプロフィール、全体像も見事簡潔に伝えたことを書いた。 俵万智さんに密着、NHKの『プロ』<小人閑居日記 2023.5.5.> 平凡な日常の中から、心のときめきを詠む<小人閑居日記 2023.5.6.> そこに、こう書いていた。 34歳、チャレンジを一番したという第三歌集『チョコレート革命』を出してからの6年間は、テーマありきの注文に応えて、そこそこ上手に使える言葉を使って、言葉から言葉を紡いでいるに過ぎないんじゃないかと思う迷走期で、次の歌集が書けなかった。 「心がどんどん置き去りにされる。だから言葉と心は一対だってことを忘れずに言葉は使うってことかな、言葉には必ず心が張り付いている。」「言葉から言葉紡まず。」 そのNHKの密着が五十首連作「アボカドの種」(『短歌』2023年2月