主要7カ国首脳会議(G7サミット)が広島で始まった。被爆地での開催は初めてだ。核廃絶への転換点にしなければならない。 参加した首脳はそろって原爆資料館を訪れ、被爆者と対面した。2歳で被爆し、白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんが病床で折った鶴に関する説明に耳を傾けた。 核を巡る世界情勢は厳しさを増している。ウクライナに侵攻したロシアは核を脅しに使い、中国も核戦力を増強する。北朝鮮は核・ミサイル開発を加速している。 そんな中、ひとたび核が使われると、どんな惨禍がもたらされるのか。核保有国と、米国の「核の傘」に守られた国々の首脳が直接見聞きした意義は大きい。 第二次世界大戦の終結から78年となる。G7首脳はバイデン米大統領を除き、戦後生まれだ。惨劇の遺品などを目にして、どんな思いが胸に去来しただろうか。 マクロン仏大統領は、資料館の芳名録に「広島の犠牲者を記憶する義務を果たし、平和に向