成功すれば、民間企業として世界初の快挙となるはずだった。失敗を次につなげてほしい。 日本の宇宙ベンチャー「ispace(アイスペース)」の無人着陸船が、月に着陸できなかった。降下中に燃料が切れて減速できず、月面に衝突したとみられる。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタカラトミーが開発した探査ロボットなどの積み荷を搭載していた。 昨年11月には、JAXAが超小型探査機「オモテナシ」の月着陸を断念した。日本勢の失敗が相次いだのは残念だ。 月着陸の難易度は高い。重力があるうえ、大気はほとんどなく、着陸に備えた減速をしにくいためだ。これまでに成功したのは、旧ソ連、米国、中国だけだ。 アイスペースは、初めての挑戦で月面間近まで迫り、多くのデータを取得した。大きな収穫ととらえるべきだろう。 2010年に設立され、月探査を目指す国際レースで注目された。完成した探査車を月へ運ぶことはできなかったが、参加