秋田県沖に立つ33基の風車が2022年12月から23年1月にかけて、全国初の商業運転を始めた。国が再生可能エネルギー主力電源化の「切り札」として推進する洋上風力発電は、地域に何をもたらすのか。国策の舞台となった地元・秋田で1年間にわたり取材し、1月にニュースサイトと地域面で連載した。不安を抱えながらも受け入れた漁業者を含め、地域活性化への県民の期待は大きいが、実現はこれからだ。将来を見据えた骨太な議論が求められる。 洋上風力は安定して吹く海上の風を利用し、島国の日本で大量導入が見込まれる。発電事業者に30年間の海域占有を認める再生可能エネルギー海域利用法が施行された19年以降、国が旗振り役となり、各地で計画が進んでいる。