パレスチナ自治区ガザ地区の戦火が中東各地に拡大する兆しを見せている。地域が火の海になる事態を避けるため、国際社会は対応を急ぐ必要がある。 イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海で商船攻撃を繰り返している。昨年11月には日本郵船の運航する貨物船も拿捕(だほ)された。 イスラエルによるガザ地区攻撃に対する報復だと主張するが、民間船舶への襲撃は許されない。 国連安全保障理事会は今月、船舶への攻撃停止を求める決議を採択したが、フーシ派は応じていない。米英軍はフーシ派拠点を爆撃し、緊張はさらに高まっている。 紅海はスエズ運河で地中海とつながり、アジアと欧州を結ぶ海上交通路に位置する。世界貿易量の1割がこのルートを通過する。 攻撃の頻発を受け、海運大手では紅海を避ける動きも広がっており、世界経済への悪影響が懸念される。 レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍との戦闘も激化する一方だ。