クマに襲われる人が過去最悪のペースで増える中、自治体が対応に苦慮している。 環境省によると、クマによる被害に遭った人は、今年4~10月で180人を数え、統計を取り始めて以降で最多となった。亡くなった人も5人に上る。 自治体は、生活圏へ侵入したり、再び人に近づくことが懸念されたりする個体を駆除し、住民の安全を守っている。ところが、「クマがかわいそう」「保護して山へ返すべきだ」などのクレームや要望の電話が相次いでいる。 先月、秋田県美郷町で作業小屋に入り込んだ親子とみられるクマ3頭が駆除された際は、町や県に数百件の抗議電話がかかり、通常業務に支障をきたす事態となった。動物愛護の気持ちから出た行為としても、地元の事情を理解しているとは言い難い。 命がけで捕獲に当たる人々の気持ちを損なうものだ。狩猟者は高齢化が進んでおり、心ない中傷が続けば、安全対策の担い手がさらに先細りしかねない。 研究者らが作