社説：北朝鮮の「偵察衛星」 見過ごせない新たな脅威 | 毎日新聞宇宙開発を理由に北東アジアの緊張を高める行為である。看過できない。 北朝鮮が「軍事偵察衛星」を打ち上げたと発表した。失敗したものの、早期に「2回目」を断行するという。 「弾道ミサイル技術を使ったあらゆる発射」を禁じる国連安全保障理事会の決議違反である。 偵察衛星は、日本や韓国、太平洋地域に展開する米軍などの動向把握が目的だとされる。2021年の朝鮮労働党大会で示された国防発展5カ年計画で、重点的な開発目標に位置付けられた。 金正恩（キムジョンウン）総書記は計画期間内に多数の偵察衛星を打ち上げ、情報収集システムを構築する方針を表明している。たびたび開発現場を訪れ、完成した衛星を視察するなど力を入れてきた。 米空母などの動きをリアルタイムに把握できるようになれば、地域にとってより深刻な脅威となる。北朝鮮は最近、韓国への戦術核の使用をほのめかし、挑発の度合いを高めている。 安全保障面で連携を強め
