図版を拡大 『産業看護 2012 Vol.4 No.4』(メディカ出版)島津明人「職場のメンタルヘルスと個人・組織の活性化――ワーク・エンゲイジメントの視点から」より編集部作成。 いま、職場のメンタルヘルス対策が行き詰まりを見せるようになっています。大企業を中心に行われてきた従来型のメンタルヘルス対策はストレスを減らし心が不調になった人を支えるという、いわばセーフティネットの位置づけにありました。 もちろんセーフティネットの存在は非常に大切です。ただ、一方で雇用形態や働き方が大きく変化し、自律的で生産性の高い働き方が求められるようになり、メンタルヘルス対策にもより積極的な役割が要求されるようになってきました。しかし、そうした要請には十分に応えられていない現状があるのです。 メンタルヘルスの状態は個人の行動やパフォーマンス、ひいては生産性に大きな影響を与えることはさまざまな学術研究によって明