大学における技術職員は我が国の研究力強化をチーム一体となって推進していくための重要なキーパーソンとして大きな注目を浴びている。一方でその存在は大学組織の中でも非常に脆弱で組織化はもとより,そのキャリアパスや待遇等,整備されていない点も多々存在している。本論文では,技術職員のキャリアパスについて,これまでどのような議論がなされてきたのか,どのような経緯で技術職員の組織化が進んできたのかなど,1978(昭和53)年に国立大学協会から提示された研究技術専門官構想,専門行政職俸給表への移行問題,技術職員の組織化,訓令第33号による職階制度の導入,国立大学法人化までの技術職員及びそれを取り巻く環境の変化について詳細に記載した。今後,技術職員に関する議論を進める上で,これまでまとめられてこなかったこのような歴史的背景を前提にしながら,技術職員に関する様々な改革をさらに推進すべき点を整理していくことが必