サマリー:同質化のプロセスは「アイソモーフィズム」(isomorphism)と呼ばれる。「他社がやっているから」といった、心理的・認知的な近さからだけの理由で意思決定を行うのだ。この時、人は合理性ではなく、「正当性」で決... もっと見る定を行っている。今回は、このアイソモーフィズムを促す3種類の圧力について説明する。本稿は『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社、2019年)の一部を抜粋し、紹介したものである。 閉じる ──前回の記事:人は必ずしも合理的に意思決定するとは限らない(連載第55回) アイソモーフィズムを促す、3種類のプレッシャー ディマジオ=パウエルのASR論文のさらなる貢献は、同質化プロセスを3つに分類したことにある。この3種類の同質化プレッシャー(圧力)こそが、社会学ベースの制度理論の基本メカニズムだ。それは、強制的圧力(coercive pressure)、模倣的圧力(