アフリカ系米国人団体がイベントに合わせて開いたもうひとつの卒業式で、「卒業証書」を手に笑顔を見せる青年=東京都港区で6月17日、宮武祐希撮影 「卒業式に編み込みの髪形で行ったら出席できなかった。どう思う?」。きっかけは、知り合いの日本人女性からのこんな電話だった。アフリカ系米国人の夫との間に生まれた息子の身に今年2月、起きた出来事。当時、兵庫県姫路市の県立高3年だった青年がカールで広がりやすい髪質を整えるため、アフリカ系の人に広く浸透している編み込みで卒業式に臨んだ。ところが学校側に「校則違反」とされ、式会場である体育館の2階席に「隔離」された。名前を呼ばれても返事をしないよう念押しもされたという。 青年は卒業にあたり、優秀な成績を残したとして表彰された努力家だ。校則にある「耳にかからない」などの規定に合うよう耳周りの髪をそり、「コーンロー」と呼ばれる編み込みも、派手にならないよう最低限の