出版不況のなか、個人で出版業務を担う「独立系・ひとり出版社」の存在感が高まっている。滋賀県長浜市で「能美舎(のうびしゃ)」を営む堀江昌史(まさみ)さん(37)もその一人。滋賀・長浜にこだわり、「地元の人に喜んでもらえるような書籍を出版していきたい」と話す。地元の人たちの取り組みを書籍という形で残すことは「推し活」でもあるという。 堀江さんが手がけた本は地元へのこだわりが詰まっている地元本を1人で堀江さんは元朝日新聞記者。能美舎は、平成28年に「新聞記者の聞く力を生かした本づくりがしたい」と立ち上げた。長浜市の古民家で、夫とともに畑で自家栽培した野菜を用いた料理を提供する「丘峰喫茶店」を週3日開業しており、その合間に本づくりを行っている。 書籍の企画から取材、編集に加え、営業や交流サイト(SNS)の宣伝まで1人で担い、年1~3冊のペースで出版。これまでの7年間で、手掛けた本は復刊を含めて14