遠野市の歴史や文化を広く知ってもらおうと、遠野文化研究センターは「遠野学叢書(そうしょ)」の第1~3巻を発刊した。気軽に目を通せる読み物や史料的価値のある古文書を収録し、市民から研究者まで幅広い読者を想定した内容となっている。 第1巻「宮守風土記」は、ことしで合併10年となる旧宮守村の「広報みやもり」で1998年から7年続いた郷土史家水原義人氏の連載をまとめた。歴史や自然、伝説、石碑の由来など115話を盛り込んだ。 第2巻「遠野の郷土芸能」は、休止中も含む市内120団体のしし踊りや神楽などの郷土芸能を紹介。奉納の時期と場所、演目といった概要を一覧できる。 第3巻は幕末期の豪商が漢文でつづった「菅沼藤左衛門扣書(ひかえがき)」。飢饉(ききん)時の気象や雑穀類の価格変動が分かり、当時の遠野の世相や商人の意識を考える上で貴重な史料だ。 センターは本年度中に新たに3冊を刊行する。熊谷航学芸
『奄美諸島の民俗文化誌』下野敏見著 南方新社・3500円+税 本書の性格は誰よりもまず著者自らに語ってもらうのがよいであろう。「あとがき」には次のように記されている。 「本誌は、基本的には、筆者が50年の間に奄美8カ島全集落を何回も巡り、たくさんの方々に出会い、教えてもらって記したノートやカード、写真を基に構成したものである。(中略)全て現地主義で、実際に見聞したことを中心に記しておいた」。 その言葉通り、本書は1960年代後半から今日まで、ほぼ半世紀の間、現地で資料を蓄積してきた、いわば足で積み上げた民俗文化誌である。徹底した現地主義に時間的な厚みが加わっている点、民俗宗教から物質文化まで幅広い分野を扱っている点、および写真をふんだんに使って説明している点などが本書の特徴となっている。 本書の脱稿は「平成24年7月15日」である。私はその1年前の春に、本書にもよく登場する加計呂麻島で数日
民話集の完成を當山宏嘉手納町長に報告する編集委員ら=3月29日、嘉手納町役場 【嘉手納】嘉手納町教育委員会はこのほど、町に伝わる民話を収めた町初の民話集「かでなの民話」を発刊した。沖縄に甘藷を伝えた町の偉人「野國總管」や、町屋良にある池「屋良ムルチ」にまつわる話など309話を収録する。編集委員会の津波古米子委員長は「先人たちの思いを後輩に受け継ぎ、嘉手納の文化の礎になってほしい」と喜んだ。 同地域の民話は1993年ごろ、沖国大の故・遠藤庄治名誉教授の研究グループが町内のお年寄り113人から1089話を聞き取り、論文にまとめている。編集委は5年間かけて、聞き取り時に録音した音声を聞き直して選抜、編集した。 同じテーマでも話者を変えて複数収録しており、語り口や内容の違いを楽しめる。また、屋良ムルチに住むとされる大蛇を退治するために、包丁を縦に並べて置いた「屋良ムルチの蛇退治」など、他地域にはな
次の所蔵あり。 ・地獄 : 千葉県安房郡延命寺所蔵 白仁成昭 [ほか]構成. 風濤社, 1980.8. (J/ F177/) (同様な事例) ・最近話題の「地獄」の絵本(福井県立図書館) https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000106798 ・小学生のころに読んだ本を探している。自分は「地獄の本」と呼んでいたが正式なタイトル等はわからない。・・・(新潟市立中央図書館) https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000084672 ・子ども向けの天国と地獄について書かれている絵本はありますか。(大府市中央図書館) https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=100
芸能・文化 『琉球方言とウチ・ソト意識』 言葉が映す境界のイメージ2011年11月13日 Tweet 『琉球方言とウチ・ソト意識』内間直仁著 研究社・3675円 沖縄文化を支える意識は、琉球方言にどのようにみられるのか。著者が30年以上にわたって追求してきたテーマである。結果として背景にみえてきたのは、流動的なウチ・ソト意識(話し手が他者に対して持つ意識上での境界)であるという。表紙に描かれた琉球家屋の縁側は、まさに「家(ウチ)」・「庭(ソト)」の境界がイメージさせられている。 普段、我々は無意識に、時には意識的に、意識の向けた先にウチ(親)とソト(疎)の境界を引いている。著者がいうように、「わが家」に意識を置けば「よその家」はソト扱いとなり、「ウチナー(沖縄)」に意識を置けば「ヤマトゥ(大和)」はソト扱いとなる。 本書では、このようなウチ・ソトの区別が助詞「ガ(が)」「ヌ(の)」の
芸能・文化 『沖縄の民俗芸能論』 芸能研究の新たな展開2011年7月31日 Tweet 『沖縄の民俗芸能論』久万田晋著 ボーダーインク・2520円 本書は県立芸大での講義資料を基に執筆された。それだけによく整理された形で、奄美から八重山に至る琉球弧の民俗芸能を扱う。しかし決して単なる概説書ではない。テーマごとに問題を掘り下げ幅広い分析を加えている。著者独自の視点や発想が際立つ箇所を見ていこう。 第1章では伝統芸能の分類として、「大衆芸能」を古典・民俗と並んで対等に位置付け、三者の交錯を論じる。第3章では臼太鼓の芸能史的な意義を詳述後、奄美の八月踊りや宮古のクイチャー等、他地域の輪踊りと比較し、太鼓の変遷と関連づける。ただし空間分布を時間的な前後関係に置き換えることには慎重であるべきだろう。 第5章のエイサーは、クラブチーム型(創作)エイサーを正面から取り上げ、沖縄ポップとの相互影響関
当館に所蔵はないが、 NDLOPACで「三世相」分類「/148」の本として、次のものが確認できる。 うちいくつかは近代デジタルライブラリーで閲覧可能。 1. 21世紀の三世相 / 八島高明. -- ボーダーインク, 2005.4 2. 万暦三世相 / 竜沢慎作[他]. -- 神宮館, 昭和12 3. 傳家の重寳開運三世相大集成 / 神鞭呑洲. -- 國民教育普及會, 1932.11 4. 運命三世相大観 / 東洋易学研究会. -- 5版. -- 近代文芸社, 1931.2 5. 運命三世相 / 滝沢慎作. -- 15版. -- 誠文堂, 昭和3.12 6. 周易・淘宮・九星・家相・人相・生れ月運命三世相大観 / 東洋易学研究会. -- 近代文芸社, 昭和3 7. 大正三世相 / 奥田象現. -- 神霊館〔ほか〕, 大正14 8. 身の上独判断 / 高島易断所神宮館編輯部. -- 高島易断所
芸能・文化 『おきなわルーツ紀行』 聖書でひも解く風習2011年2月20日 Tweet 『おきなわルーツ紀行』小林ゆうこ・与儀喜美江著 球陽出版・1575円おきなわルーツ紀行 祖先崇拝の根強い沖縄は、他府県と異なる固有の文化圏とされる。琉球神道、シャーマニズムの影響力が強調され、「キリスト教は外国の宗教」と考えがちだ。 ところが不思議なことに、照屋寛範著「沖縄の宗教・土俗」、与那城勇著「琉球エデンの園物語」などは沖縄の精神文化を構成する部分に聖書と琉球歴史の類似点があると述べている。その視点は、キリスト教信仰の立場から研究された類似点であったが、本書は逆に、県外で生活する未信者の著者が、久高島訪問を機に、現代沖縄に生きる風習の数々と出会う中で、ルーツをたどり続けて行く。そこにクリスチャンとの出会いも加わり、思考停止を感じながらも、気がつけば何と、アマミキョとは古代イスラエル人ではない
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