米市民団体の電子フロンティア財団(EFF)は米国時間2009年8月5日,人々が日常的に使用するシステムが行動のプライバシを侵害する可能性について指摘する報告書を発表した。 現在,入室用磁気カード,通行料金の電子決済,位置に基づく情報サービスなどの技術によって人々の日常生活は便利になっている。友人が近くにいると携帯電話で通知を受け取るといったことも可能だ。しかし,こうしたシステムは人々の行動を記録している場合がある。これら記録によって,いつ病院に行ったか,誰とランチを食べたかなどの情報が他人に知られることになる。 人々の行動を追跡するシステムは人気が高まっており,今後数十年にわたって日常生活に浸透する見通しだ。EFFのPeter Eckersley氏は,「位置情報や行動追跡に対応したデバイスやサービスには,プライバシ保護アルゴリズムの組み込みが不可欠だ」と指摘している。 この報告書では,現在
前回のエントリーを自分で読み返してみると、第3段落が結構重要な内容と思える割に圧縮して書いたのでちょっとわかりにくかったかもしれません。ということで、再度説明します。 サーチエンジンのエントリー(およびキャッシュ)の削除を事後的オプトアウトで対応すればよい根拠 ウェブで情報を公開しているということは、その作者は多くの人に情報を見てもらいたいことを意図していると考えられます。また、サーチエンジンに掲載されたくない場合には、robot.txtの設定により事前的オプトアウトをすることもできます。ということで、サーチエンジンへの掲載には基本的に作者の黙示の許諾があると言える(Google News等やや微妙なケースあり)ので、問題があった例外的なケースだけを事後的オプトアウトで対応すれば妥当と考えられます。なお、ここで、いわゆるグーグル八分問題が出てきますが、別論です。 YouTube等のCGMサ
ISPからのユーザーの行動データをベースにした行動分析型ターゲティング広告に対してのプライバシーの問題が米政府で持ちあげられているが、AT&T、Time Warner Cable、Verizonはどは、オプトインでなければ行わないことを公聴会で示した。、また、ISPは検索会社や広告主と共にISPデータをもとにした行動分析型ターゲティング広告のベストプラクティスを話し合っているという。 ソース:ClickZ: ISPs Pledge Behavioral Ads to Be Opt-In September 27, 2008 in Behavioral Targeting | Permalink TrackBack TrackBack URL for this entry: https://www.typepad.com/services/trackback/6a00d8341bfeba53
米国消費者団体のConsumer Reports National Research Centerは米国時間2008年9月25日,インターネット上における個人情報の取り扱いに対する米国消費者の意識調査の結果を発表した。それによると,消費者の多くが個人情報の取り扱いやオンライン活動の追跡・分析を懸念しており,情報の収集と使用についてより厳しい規制が必要だと考えている。 調査報告書によれば,回答者の72%は企業によって自分のオンライン活動が追跡・分析されることを懸念している。68%はWebサイトにアクセスするために個人情報を提供しているが,53%は自分の電子メールのコンテンツや閲覧履歴を基に企業が関連広告を送信してくることに不快感を示している。また54%は,第3者による自分のオンライン活動の情報収集を不快に感じているという。 回答者の93%は,「企業は個人情報を使用する前に常に本人に許可を求め
■ グーグル株式会社の3つの虚偽(まとめ) もし日本にプライバシー擁護団体があったなら、ただちに次の3点について抗議声明を出していたことだろう。私が個人でこのようなことを言ってもニュースとして扱われることはない。団体の声明という形式が重要であるのだが、残念ながら日本にそのような活動のできる団体はまだなさそうだ。 「通りに立った目の高さで」という嘘 Googleマップのヘルプの「ストリートビューとは」には、「通りに立った目の高さで移動しながら周辺の景色を見ることができます」と、説明されている。 これは全くの嘘偽りで、実際には、約2.5メートルの高さから見下ろす景色であり、狭い路地では民家の塀の中まで覗き込む景色が撮影、公衆送信可能化されている。 日本の家屋の塀はグーグル社に適応して70センチ伸びるのか, 2008年8月12日の日記 Googleストカーの目線と常人の目線を比較する, 2008
先日は週刊ポストでしたが、今度は、某新聞の取材で、 http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080819#1219144977 のようなことを述べた上で、さらに、概略、次のようなことを述べました。 このサービスが種々の問題を含むことは事実であり、グーグルとしても、今後、さらに改善する必要が高いと思う。グーグルのような企業は、グローバルに、一律なサービスを提供する、ということを当然のように考えているが、人々の意識、感覚、権利に対する考え方等々はドメスティックなものであり、個々の国や民族によってかなり違いはあるので、そういったところに踏み込むようなサービスを提供するにあたっては、かなり慎重に臨む必要がある。 このサービスが、今後、存続されるかどうか、また、どのような形でサービスが提供されるか、といっったことは、グーグルの方針に依存しつつ、最終的には、日本国民がどのような考
MIAU は静観を決め込むのかと思ったらシンポジウムを開いたらしい。 シンポジウム「Google ストリートビュー"問題"を考える」開催 「Googleストリートビュー」は何が問題か――MIAUがシンポ 「ストリートビュー」はどこが問題か、MIAUシンポジウムで議論 INTERNET Watch の記事のほうが簡潔で分かりやすいかな。 間の悪いことに, ちょうど仕事で納品タイミングと重なっていたために Twitter に質問するのも忘れていたのだが, 記事を見る限りはネットでやりとりされている内容以上のものはなさそうである。 でも, その筋の方々がしゃべられたというのは説得力があるし, 今後の議論の材料にはなりそうである。 せっかくなので現時点で思っていることをつらつらと書いてみる。 なお, 私は GSV 許容派(あるいは GSV にプライバシー問題など存在しない)なので, その辺色をつけ
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■ 「ストリートビュー問題」をセキュリティ観点から整理する ※以下の文章はブルース・シュナイアー『 セキュリティはなぜやぶられたのか』の受け売りなので、未読の人はとっとと買って読んだ方がよっぽどためになります。 要約 Googleマップの「ストリートビュー」機能に関する議論の多くは、これをプライバシー問題として捉えているが、ほとんど議論がかみ合っていないばかりか、なぜかみ合っていないのか当人たちもわかっていない。この問題をセキュリティの観点から捉えなおすと、守るべき資産価値やリスクの算出方法が個人個人の主観をよりどころにしていることがわかり、なぜ議論がかみ合わないのかが明らかになり、ネットでの議論よりも有効なアクションが見えてくる。 セキュリティとは 『セキュリティはなぜやぶられたのか』によれば、人生はセキュリティの連続である。旅行に使う交通機関を選ぶのもセキュリティだし、賞味期限切れ牛乳
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■ 通信プラットフォーム研究会 傍聴録 (Google社の発言あり) 通信プラットフォーム研究会が一般公開されているのを最近になって知り、先週7日に開かれた第6回会合を傍聴してきたので、討議の様子を書き留めておく。 それまでの会合の議事録を事前に読んで行ったのだが、これほど大きな会合(たくさんの人に発言権があり、たくさんの人が傍聴するもの)とは予期していなかった。構成員だけに発言権があると思っていた(各回のヒアリング対象が「オブザーバー」として発言することもあると理解していた)が、そうではなく、「オブザーバー」(傍聴者のことではない)全員に発言権がある形式だった。「オブザーバー」の今回の出席者は、配布資料の座席表によると以下の通り。 ヤフー、モバイル・コンテンツ・フォーラム事務局、マイクロソフト、東日本旅客道、日本インターネットプロバイダー協会、テレコムサービス協会、情報通信ネットワーク産
■ 日本の家屋の塀はグーグル社に適応して70センチ伸びるのか 前回の日記に傍聴録を記したように、その研究会では図らずもグーグル社の考え方を聞くことができた。そのタイミングから、Googleマップの「ストリートビュー」について述べられたものと解釈している人がいるようだが、このご発言は、携帯電話や固定通信網における個人識別子の扱いに関連する議論の文脈において出たものである。 さて、Googleマップの「ストリートビュー」だが、日本でも開始されたと知って早速いろいろなところを見てみたところ、それは予期していたのとは違うものになっていた。車一台スレスレ通れるか通れないかのような細い道にまで撮影車が積極的に入り込んでおり、特に予想外なことに、住宅密集地で、高い視点から塀の中を見下ろして撮影している。 これは通常の通行人の目線で見える風景との違いを比べる必要があると思った。そこで、現地を訪れて実際の塀
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…書きたいのだけど、20日のこともあるし色々と時間を削られていてなかなか実現しない。とりあえず考えていることと今思いついたことを箇条書きで列挙してみる: 判断方法・基準について GSVが「キモいかどうか」という議論には全く興味が無いし、キモいから規制して良いと考えている人間はマジでキモいと思う キモいから自分は使わない、というのは個人の自由であり、そういう人を非難するつもりはない。他人の自由を規制する理由にはならないので、キモいから規制して良いという人については非難する。 GSVに懸念を示すのが日本人らしい思想であるという主張は、松永英明氏のアンケートで既に否定されており、相手にする必要はない。これを津田大介氏のように同調圧力と評価することについては、肯定派と否定派がいるだろうが、本質的な問題ではなく、その立場を理由に相手の論理性を否定しようとする主張は読む必要がない(たとえば高木浩光氏の
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