自動化の二つの側面 アルゴリズム取引の意味するもの HFTという言葉をご存知でしょうか。「High Frequency Trading」の頭文字をとったもので、日本語に訳せば高頻度取引となります。1秒間に何百回も取引を行うHFTは、当然人の手で行うことは不可能で、コンピュータを使って行われます。このようなコンピュータを使用する金融取引をアルゴリズム取引と呼び、他のIT技術同様に、現在はAIを使った取引へと進化しています。 資金調達と資金運用を効率的に行うための施設が証券取引所ですが、アルゴリズム取引の場合、そうした物理的施設は不要になり、電子化された取引所がサイバー空間に存在するだけでよく、原理的には、取引プログラムとインターフェイスが決まれば、すぐにでも証券取引が開始できるそうです⑴ 。 アルゴリズム取引のなかで、とくに発注頻度が高いのがHFTです。計算機技術と通信機技術の高度化に伴って