プロフィールバックナンバー ベイズの定理は「条件付き確率」を求めるための公式で、トーマス・ベイズという18世紀イギリスの牧師の、没後に発見された論文に書かれていました。 この定理は、何かの確率を求める際に、事前にわかっている情報で求められる確率と、後で新しい情報が付け加わったときの「条件付き確率」は異なるということを表しています。 そして、この定理は、200年以上たった現在でも、迷惑メールの抽出や検索エンジンでの順位付け、株の売買におけるアルゴリズムなど、さまざまな日常的な場面で使われています。 ベイズの定理自体は、確率論における比較的単純な定理なのですが、課題は、私たちの直感はどうしても、事後に情報が入ったとしても、事前の確率に縛られてしまい、判断が狂うということです。 単純な例を考えてみましょう。区別のつかない三つの袋の中に、それぞれ「赤・赤」「赤・白」「白・白」の二つの球が