一応、転移ネタ最終回です。 草さんのエントリ後半では、ジジェクによる探偵の譬えが引かれています。 たしかに「客観的な」科学者もまた「偽りの外見を通り抜けて、隠された現実へと到る」が、科学者の扱うこの偽りの外見には欺瞞という次元が欠けている。人を騙す邪悪な神という仮説を受け入れないかぎり、科学者が自分の対象から「騙された」とか、科学者が直面している偽りの外見は「その存在理由を隠蔽するためだけに存在している」などという言い方は絶対にできない。しかし「客観的な」科学者とは反対に、探偵はたんに偽りの外見を消すだけで真理に到達するのではない。彼はその偽りの外見を考慮に入れる。(・・・)真理は欺瞞の領域の「向こう側」にあるのではなく、「意図」の中に、つまり欺瞞そのものの間主観的機能の中にあるのだ。(『斜めから見る』 スラヴォイジジェク) 邪悪な神、欺く神の想定とは、世界に「意図」を読み込むことです。つ