今後、勢いに乗る新興国を追いかけるための新たな挑戦に臨むのか、それとも老いる先進国の一員として既存資産を有効活用しながら生き延びるのか、早晩私たち自身が選択しなければならない。 そもそもトップの意思決定によって行う大胆な "改革" が苦手な日本企業においても、これまでは非常に優秀な現場の努力と工夫によって自律的に行われる“改善”で成果を上げてこられた。 その「お家芸」であったはずの改善を、もし国際規格という外圧で、いわば押しつけられることになるとしたら、青天の霹靂とも言うべき展開だ。 日本企業にとって今後海外からの新たな取引条件として大きな負担を強いられかねない状況にあるとも言える。 さらに我が国には、個人資格取得偏重とも言うべき考え方が生み出すさまざまな誤解が実践の妨げになっているという皮肉な側面も見られる。 例えばシックスシグマ活動の実行リーダーの肩書きは「ブラックベルト」と呼ばれてお