最近、アゴラで行動ファイナンスについて活発に議論されていた。そこで今回は長年、金融業に携わって来た人間として筆者も行動ファイナンスに関して幾つかの知見を提供したい。アカデミックな行動ファイナンスの研究は、伝統的なファイナンス理論で説明できなさそうな現象をデータ・マイニングで見つけてきて、それに心理学の論文の要旨をくっつけるという、クリエイティブな作品が多い。データは地域や期間をいろいろ変えて、自分のストーリーに合うものをうまく探しだせばよいし、心理学には人々が過剰反応するケースや、逆に過少反応するケースとその論文が常に存在するので、研究者にストーリー・テラーとしてのちょっとした才能があれば、どんな研究論文も創りだせる。その結果、行動ファイナンスは経済学部の学生が博士号を取得したり、ポスドクが大学の正規の職を得るために大いに役立ってきた。しかしながら、行動ファイナンスに基づく統計モデルを使い
【12月15日 Relaxnews】パートタイムで働く母親は、専業主婦やフルタイム勤務の母親より健康でうつの兆候も出にくいとの研究結果が、米の家族心理学専門誌「Journal of Family Psychology」12月号に掲載された。 研究によると、パートタイムで働く母親は専業主婦に比べ、うつ症状が少なく、自己申告による健康状態も良かったという。この傾向は子どもが幼い人ほど顕著に現われた。 研究を行った米ノースカロライナ大学グリーンズボロ(University of North Carolina at Greensboro)のシェリル・ビューラー(Cheryl Buehler)博士は、健康情報サイト「WebMD」に、「母親にとって、経済的役割は家庭生活の中心にあり、その役割が自身の健康と子育てを支えているのです」と話している。 同サイトによると、これまでにも、専業主婦とフルタイムで働
『心理学の「現在がわかる」ブックガイド』は5人の心理学者による120冊以上の書籍のレビューである。この本は私の大学時代の恩師二人が監修&共著ということで買ってみたが、かなり面白い。扱っている本はメジャーなものが多く、私が読んだことのある本も十数冊ある。できれば学生時代に手にとりたかった。 心理学の「現在」がわかるブックガイド 作者: 越智啓太,徳田英次,荷方邦夫,望月聡,服部環出版社/メーカー: 実務教育出版発売日: 2011/04/19メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見る巷には人間心理を扱う本は沢山あるが、タイトルに「心理学」とあっても心理学という学問に基づくとは限らない。むしろ、学問としての心理学とは無関係で、何の根拠のないものがほとんどだ。それならば、心理学者のレビューに基づいて本を選ぶほうがいい。また「エセ心理学にだ
前の記事 「風力発電車」でオーストラリア横断に成功(動画) 心の会計:人はなぜお金を非合理的に使うのか 2011年2月18日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Jonah Lehrer オーストラリア紙幣。画像はWikimedia 筆者は現在ホテルに滞在しているのだが、ちょうどいま、インターネット接続のために16.95ドルも支払った。通常はホテルでの有料接続は避けていちばん近いスターバックスに行き、コーヒーを飲みながらメールを送信するのだが。しかし、米国のどこにでもあるスターバックスは、残念ながらこの周辺にはなかったのだ。 ホテルのサービス料金は馬鹿高い。もし部屋で朝食を食べることにすれば、紅茶のポット1杯で8ドルだ。ベーコンやトーストを付ければ22ドル。シリアル1杯は12ドルだし、それに税金とチップが付き、部屋へのデリバリー料
・なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想 この本の批判する「ビジネス書」というのは、いわゆる自己啓発系や能力開発系ではない。『エクセレント・カンパニー』『ビジョナリー・カンパニー』のような、本屋の経営学コーナーの真ん中に、経営の科学書としてディスプレイされている本のことである。 「経営者も記者も大学教授もコンサルタントも含めて、私たちが企業パフォーマンスを決定する要因だと思っている多くの事柄は、業績を知ってそこに理由を帰した特徴に過ぎないのである。」 原題の「The Halo Effect」(ハロー効果、後光効果)とは、物事の特徴的な側面を見ると、その他の面に対する評価も影響を受ける認知バイアスのこと。多くのビジネス書は、好業績の企業を分析して、成功要因を抽出するが、著者はその方法論に異を唱える。 企業の財務業績が良いと、戦略も企業文化も人事制度も商品品質もCEOの能力も人柄も、
渡邊芳之 @ynabe39 最後に「心理学は自然科学」についてですが,私はそれは分野や研究者によって違ってよいし,それを自由に選べるのが心理学の長所だと積極的に考えています。@aristotetsu @tsuyomiyakawa @skasuga 2010-12-31 16:43:15 渡邊芳之 @ynabe39 たしかに英米では自然科学志向が主流ですし,自然科学の特徴である生産性の高さによって論文数では自然科学的なものが圧倒的に見えますが,北米にも人文学的な心理学を志向する人々がいますし,大陸欧州にも多いです。@aristotetsu @tsuyomiyakawa @skasuga 2010-12-31 16:46:05
「アメリカ心理学会では統計的有意度は廃止されたそうです」で紹介した Statistical methods in psychology journals: Guidelines and explanations の Hypothesis tests の項には Never use the unfortunate expression “Accept the null hypothesis.” とイタリック体で強調して書かれている。帰無仮説は棄却することはあっても「採択」してはいけないという注意は英語の文献ではしょっちゅう見かける。実際,Googleで "accept the null hypothesis" を検索すると,同様な注意がたくさん見つかる。 ところが,同じGoogleでも日本語で "帰無仮説を採択" を検索すると,著名な人でもこの表現を普通に使っていることがわかる。どうしてだろう
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