このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 カナダのトロント大学にある研究機関「Citizen Lab」は、中国で広く利用されているキーボードアプリに関する最新の調査報告を公開した。報告書によると、中国の主要なクラウドベースのスマホキーボードアプリに脆弱性が認められたという。この脆弱性が悪用されると、ユーザーが入力した内容(キーストローク)が盗まれる可能性があるとしている。 今回問題になったのは、中国語の入力方式として主流のピンイン(ローマ字入力)に対応したキーボードアプリだ。これらのアプリの多くは、入力した文字列をクラウドサーバに送信し、変換候補を取得する「クラウドベースの予測変換機能」を備え
YouTube動画の重要な箇所までスキップしたいと感じたことはないだろうか。新機能を使えば、それが可能になる。 Android Authorityによると、YouTubeはごく一部のユーザーを対象に「Jump Ahead」機能をテストしていたが、このほど米国の「YouTube Premium」加入者全員にこの機能の提供を開始したという。月額13.99ドル(日本では1280円)のYouTube Premiumでは、広告なしの視聴やオフライン視聴、バックグラウンド再生ができる。 Jump Aheadは、人工知能(AI)を使ってユーザーが見たいものを推測し、他の視聴者の多くが先にジャンプした箇所を分析すると、Android Authorityは説明している。YouTubeは、この機能の仕組みを詳しくは明らかにしなかったが、AIが何らかの視聴データを判断材料にしている可能性が高そうだ。 この機能は
筆者は子どもの頃から水泳をしており、寒い時期でさえ、故郷の近くの湖や川で、自由形のフォームを完成させるために長い時間を過ごしたものだった。泳ぎには自信があったので、今回は、水泳用に設計された新しいウェアラブルを試す機会があると聞いてそのチャンスに飛びついた。先ごろ、FORM Athleticaの新型スマートゴーグル「Smart Swim 2」が届いたので、春先で気候はまだ肌寒かったが、筆者は早速、地元の湖に出かけてこのデバイスを試してみた。 筆者は、初めて装着したときにSmart Swim 2に感銘を受けた。このデバイスは、他のウェアラブルとの連携も良好で、貴重なデータを大量に得ることができ、強力なスマートフォン用アプリが用意されている。また、初代モデルよりも改善されており、右こめかみ付近に心拍センサーを内蔵しているほか、海や湖、川などのオープンウォーターで泳ぐときのために、ゴーグル内にデ
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 大阪大学とシンガポールの南洋理工大学に所属する研究者らが発表した論文「Natural-artificial hybrid swarm: Cyborg-insect group navigation in unknown obstructed soft terrain」は、生きている昆虫(マダガスカルオオゴキブリ)に小型の電子制御装置を取り付けてサイボーグ化し、複数のサイボーグゴキブリを群れとして制御することで、未知の複雑な地形を移動させるナビゲーションシステムを提案した研究報告である。 従来のロボットは、障害物回避や未知環境への適応、長時間の稼働といっ
“ノーパンで履けるズボン”をご存じだろうか。「ととのうパンツ」という商品で、最近話題になっている。 ロングタイプは1着1万9800円、ショートタイプは1着1万3200円とかなり強気な価格だが、月平均300万~500万円ほど売れているという。 「サウナでととのった後に締め付けられる下着を履きたくないと思ったんです」──プラスチャーミング代表の中川ケイジさんは、ととのうパンツを閃(ひら)いたきかっけを振り返る。 自身のうつ病の経験から、開放的なリラックス時間を創出するふんどしに魅力を感じ起業した中川さん。ふんどしの特徴を商品開発に生かせないかと検討を始めた。夏はふんどしの上にショートパンツという自身のスタイルを踏まえ、ノーパンで履けるショートパンツの開発に取り組むことに。 試作品を数種類作成し、快適さを追求するために局部に当たる部分の幅の調整を10回ほど繰り返したが、大枠のイメージもあったおか
(関連記事:これでもう漏らさない? 膀胱を常に管理するAIパンツ 放尿の必要性を推定、尿失禁防止) 柔軟性があり、バッテリーフリーの埋め込み型デバイスは、膀胱壁に取り付けられ、膀胱の充満度を検知する。リアルタイムでスマートフォンアプリにデータを無線送信し、ユーザーや医師が膀胱の状態を監視できるようになっている。 デバイスは複数のセンサー(ひずみゲージなど)で構成しており、膀胱の膨張と収縮に伴うひずみを測定する。膀胱が膨らむほどひずみが大きくなり、膀胱が空になるとひずみが解消される仕組みだ。センサーがさまざまなレベルのひずみを検出すると、内蔵のBluetooth技術を使ってスマートフォンやタブレットにデータを送信する。 研究チームは、小動物実験とヒト以外の霊長類実験で膀胱モニタリングシステムの有効性を確認した。小動物実験では30日間、ヒト以外の霊長類実験では8週間にわたってシステムが正常に機
株式会社ePARAの畠山駿也氏は3月27日、「EVO 2024」出場のための資金を募るクラウドファンディングキャンペーンを3月29日に開始すると発表した。同氏は難病・筋ジストロフィーを患いながらも、格闘ゲームを続けてきた人物だ。 沢山の方にご協力いただき、クラファンの最終審査が無事終わったので、事前告知も兼ねてnoteを更新しました。読んで頂けると嬉しいです。🙇♂️ 格闘ゲームと生きるということ – EVO挑戦クラファンの開始日が決まりました。|Jeni / 畠山駿也 @jenixo0 #note https://t.co/1Stg26HO8I — Jeni (@jenixo0) March 25, 2024 畠山氏は、ハンドルネームJeniとして活動する格闘ゲーマーだ。また株式会社ePARAにて、ゲームアクセシビリティの推進活動に携わってきた。同氏はデュシェンヌ型筋ジストロフィーを先
CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は3月16日と17日に、群馬県のベイシア文化ホール(群馬県民会館)ならびに、オンラインステージ「ASOBI STAGE」にて行われた、「アイドルマスター」をテーマにしたイベント「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”」の模様をお届けする。 アイマスシリーズの新たな試みとなる3DCGライブが開催。現地会場では2人が目の前にいるかのような複合現実、配信では3DCG空間という見え方が異なるライブで、xR技術を使ったステージとなった これは、アイドルマスターシリーズに登場している、765プロダクションのアイドルである菊地真と萩原雪歩の2人によるライブイベント。当初、2人だけのツインライブであることや、「会場
コピ・ルアックは完熟したコーヒーの実を食べたジャコウネコの糞から採取した未消化のコーヒー豆を焙煎したコーヒー。その生産過程は特殊であるため、生産量が極めて少ない。非常に希少であることから、世界で最も貴重な幻のコーヒーともいわれる。 New Innovationsは、コピ・ルアックの味について「ジャコウネコの消化器官で酵素の作用を受け、腸内で発酵し排せつされることで、ムスク香のような独特で複雑な香りと、芳醇な味わいが生まれる」と説明。root Cでは、野生のジャコウネコによる生産が証明された豆を使い、コーヒーを提供するという。 root Cはスマートフォンアプリから時間を指定して注文でき、ユーザーの受け取り時間に併せていれたてのスペシャルティコーヒーを提供する完全無人営業のコーヒースタンド。18日時点で東京都や神奈川県、大阪府で全11台を展開中。 関連記事 気分は上げるがテクニックは求めない
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 金沢大学に所属する研究者らが発表した論文「電力重畳通信を用いた空間配置自由度の高いキーボードシステム」は、各キースイッチを立体的に自由にレイアウトできる自作3次元キーボードシステムを提案した研究報告である。 好みにレイアウトする自作キーボードにおいて、平面配置だけでなく、キーを空間的に配置することでさらに打鍵しやすくなる。既存のキーボードでは、キーボードの中央部が盛り上がるなどの立体的な形状を持つものがあるが、ユーザーがキー単位で立体的な位置を自由に変更することは難しい。 さらに、各キーを好きな場所に配置できるキーボードも存在するが、これら
「私はロボットではありません」を100回押して、自分が人間であることを証明しろ──そんなWebブラウザゲーム「人間証明タイムアタック」が公開中だ。bot検出ツール「reCAPTCHA」を100回押すまでにかかった時間を競い合うゲーム。ミステリーゲーム「Project:;COLD」シリーズを制作するTeam Project:;COLDが公開した。 人間証明タイムアタックは、PCやスマートフォンなどでプレイ可能。reCAPTCHAが同時に20個表示されるので、それを押していく。全て押し切れば次に進むことができ、再び20個のreCAPTCHAが表示される。これを5回繰り返し、計100個のreCAPTCHAを押すまでにかかった時間を競い合う。 また、reCAPTCHAを押した際に「オートバイのタイルをすべて選択してください」など時間がかかる画像が出題されることも。一度クリアしたreCAPTCHAも
LIXILは3月6日、自動洗浄機能を搭載したタンクレストイレ「SATIS X」を発表した。「トイレ自らが掃除をしてくれるので、人と暮らしにゆとりが生まれる」としている。6月3日から全国で販売する。価格は49万7000円から(消費税/工事費別)。 便器の内側3カ所にノズルを設け、使用するたびに3方向からの水流で洗い流す。さらに1日1回、専用の洗剤(別売)を使って洗浄する「泡クリーン」機能を搭載。3時間ほどかけ、洗濯機のような水流と泡で便器表面の目に見えない微細な汚れまで除去するという。洗剤はLIXILの公式通販サイトで販売する。 作動時間はトイレのリモコンもしくは専用アプリ「My SATIS2」で指定できる。寝ている間や外出中を設定すれば「時間の有効活用につながる」という。 LIXILの水まわり・タイル事業は、1924年の伊奈製陶(INAXの前身)設立によって始まった。「100年に渡って培っ
テレビアニメ「フューチュラマ」に登場するキャラクターのリーラを、筆者はいろいろな理由で羨ましいと思っていた。かっこいいブーツに紫色の髪、そして宇宙船の船長という職業。だが、子どもが新しい玩具を買ってもらって喜ぶときのように、筆者の技術オタク心を刺激したのは、何といっても、リーラ船長が手首に装着するスマートデバイスだった。そして、ついに、ようやくその夢を現実のものにしてくれそうなのが、Motorolaの最新コンセプトだ。簡単に言うと、おなじみの平たい形状のデバイスとして機能するが、折り曲げると、未来的なガントレットのように手首に巻き付けることができるスマートフォンである。 同社は、2023年にこれを「アダプティブディスプレイのコンセプト機」として披露していたが、2024年のMobile World Congress(MWC)では、これを手に取ってみる、いや手首に着けてみる機会を得られた。どん
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の浙江大学や米ミシガン大学、米ノースイースタン大学に所属する研究者らが発表した論文「GhostType: The Limits of Using Contactless Electromagnetic Interference to Inject Phantom Keys into Analog Circuits of Keyboards」は、電磁干渉(EMI)を利用して、他人のキーボードに物理的に触れることなく偽のキーストロークを注入できる攻撃を提案した研究報告である。 具体的には、キーボードの電気回路に誤った電圧を誘導し、キーボード
ブリヂストンの社内ベンチャーであるソフトロボティクス ベンチャーズは2024年2月9~14日の6日間、渋谷駅前にある体験型ストア「b8ta Tokyo Shibuya」において、同社のゴム人工筋肉(ラバーアクチュエータ)の新たな可能性を訴求する展示を行っている。 ブリヂストンの社内ベンチャーであるソフトロボティクス ベンチャーズは2024年2月9~14日の6日間、渋谷駅前にある体験型ストア「b8ta Tokyo Shibuya」において、同社のゴム人工筋肉(ラバーアクチュエータ)の新たな可能性を訴求する展示を行っている。ロボットハンド向けなど産業用途での生産性向上を主眼において事業を展開してきたソフトロボティクス ベンチャーズだが、今回は一般消費者向けを強く意識した異色の展示となっている。 ブリヂストンのソフトロボティクス ベンチャーズが「b8ta Tokyo Shibuya」で行っている
Elon Musk氏は1月、自身が出資するスタートアップ企業Neuralinkが人間への脳インプラントに成功したと発表した。現在、被験者の脳から電気信号を検出できているという。しかし、この手術は6年間の臨床研究の始まりにすぎず、この技術の安全性と有用性を確保するための長い道のりはまだ一歩を踏み出したところだ。 「昨日、初めて人間がNeuralinkによる脳インプラントを受け、順調に回復中だ」と、Musk氏は「X」への投稿で述べた。初期の結果は、Musk氏が「Telepathy」(テレパシー)と名付けたこのインプラントが脳細胞の活動を捉えていることを示している。 今回の脳インプラント手術は、Neuralinkが2023年に発表した臨床試験に含まれるもので、脊髄損傷や、ルー・ゲーリッグ病としても知られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)によって四肢麻痺の状態にある患者の脳内に装置を埋め込み、その効果
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 神戸大学の塚本・寺田研究室に所属する研究者らが発表した論文「EmoCast: 顔への表情変化情報投影による話し相手の印象向上システム」は、対面での会話中に表情を豊かに見せることで話し相手の印象を良くするウェアラブル表情拡張システムを提案した研究報告である。このシステムは、動く顔に追従しながらプロジェクターで笑顔などの3Dモデルを投影して表情を拡張する。
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