富士通は6月3日、東洋大学と共同で、カスタマーハラスメント疑似体験機能とナラティブフィードバック機能を備えた、カスタマーハラスメント体験AIツールの開発を公表した。 これは、従業員が応対スキルを身に付け、カスタマーハラスメント応対の負担を軽減することを目指したもので、体験結果から推定した個人の特性に合わせたナラティブを自動で生成し、応対スキルを向上させるものとしている。 この体験AIツールは、カスタマーハラスメント疑似体験機能とナラティブフィードバック機能の2つの機能で構成されている。 カスタマーハラスメント疑似体験機能では、特殊詐欺訓練AIツールのAIトレーナー技術を応用し開発。この機能では、犯罪心理学の知見を活用してカスタマーハラスメントの共通する会話のパターンを学習し、それを再現するAIトレーナーと臨場感のある会話をすることで、さまざまな業種でのカスタマーハラスメントへの応対の疑似体
判定者が使った戦略を分析すると、36%が雑談を通じて相手の人となりを探ろうとした。また、25%が感情や経験、ユーモアのセンスを尋ねるなど、社会的・感情的なアプローチを取っていた。論理的思考や一般知識を問うたのは13%にとどまった。 判定理由を分析した結果、43%が言語的スタイル(スペル、文法、語調など)に関するもので、24%が社会的・感情的要因(ユーモアのセンス、人格など)に関するものであった。知識や論理的思考に関する理由(知りすぎている、知らなさすぎているなど)は10%にとどまった。 AIだと判定した理由として「わざとらしい人格を演じている」「過度にくだけすぎている」「個性に欠けている」ことが挙げられた。逆に人間だと判定された主な理由は「人間らしく、くだけた言葉遣い」「もっともらしい受け答え」「スペルや文法の間違いを含むこと」などであった。以上の結果から、判定者は知性よりも言語的・社会的
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 【更新履歴:2024年5月24日 午後1時50分更新 同時刻時点で論文は取り下げられ、GitHubのリポジトリ非公開となったことを確認しました。 カナダのアルバータ大学や中国の四川音楽学院に所属する研究者らが発表した論文「Sakuga-42M Dataset: Scaling Up Cartoon Research」は、AIモデルのトレーニング用に作成したアニメ動画データセットを提案した研究報告である。 Sakuga-42Mは、GitHubにおいてリポジトリが公開されており、学術研究の目的でのみ使用可能。また、データセット内の画像やビデオの著
YouTube動画の重要な箇所までスキップしたいと感じたことはないだろうか。新機能を使えば、それが可能になる。 Android Authorityによると、YouTubeはごく一部のユーザーを対象に「Jump Ahead」機能をテストしていたが、このほど米国の「YouTube Premium」加入者全員にこの機能の提供を開始したという。月額13.99ドル(日本では1280円)のYouTube Premiumでは、広告なしの視聴やオフライン視聴、バックグラウンド再生ができる。 Jump Aheadは、人工知能(AI)を使ってユーザーが見たいものを推測し、他の視聴者の多くが先にジャンプした箇所を分析すると、Android Authorityは説明している。YouTubeは、この機能の仕組みを詳しくは明らかにしなかったが、AIが何らかの視聴データを判断材料にしている可能性が高そうだ。 この機能は
NTT東日本は5月7日、クリハラリス(タイワンリス)の生息状況調査を省力化するため、鳴き声をAIで解析しする識別調査を、神奈川県からの受託事業として2月から3月にかけて行ったと発表した。 鳥の鳴き声などと高精度で識別でき、実用可能なレベルだと判断したという。今後は他の類似生物との識別も検証していく必要があるとしている。 リスなどのげっ歯類が同社のケーブルを破損し、利用者の電話やインターネットなどが使えなくなる問題が起きているという。 タイワンリスは、神奈川県では横浜・川崎・横須賀・鎌倉エリアで増殖。現在は、目撃情報があったエリアに担当者が行き、目視で生息状況を調査した上で罠を設置して捕獲・駆除している。 今回、録音した鳴き声をAIに検知させて生息状況や範囲を特定することで、調査の省力化を図る検証を行った。横浜市内の「こども自然公園」内の5カ所にボイスレコーダーを設置し、2024年2月19日
出典:Flickr / Tatsuo Yamashita (CC BY 2.0 DEED)ホンダのADAS「Honda SENSING(ホンダセンシング)」による「天一騒動」が再燃しているようだ。ホンダセンシングが、ラーメンチェーン「天下一品」の企業ロゴを「車両進入禁止」の道路標識に誤認識してしまう案件だが、ローソンが「天下一品こってりフェア」を開催したことで「遭遇率」が高まり、再び話題となっているようだ。 この誤認識による本質的なトラブル事例は出ておらず、あくまで「ネタ」としてトピック化されているわけだが、こうした事案が自動運転レベル3以降で発生すると厄介だ。 ■天下一品のロゴが車両進入禁止標識に酷似している件標識認識機能が「ネタ」に……天下一品の企業ロゴは、赤い丸枠に筆で描いたような「一」の字が白抜きで刻まれたものだ。このロゴが、赤い丸枠に白抜きで横線を入れた「車両進入禁止」の標識と酷
陰謀論は一度信じ始めると、反証によって覆すのが非常に難しい信念だと考えられている。しかし、この研究では従来の陰謀論に対する反証の試みが失敗してきたのは、単に各陰謀論者に合わせた説得力のある反証が不足していたためではないかという可能性を検討した。陰謀論者は自分の関心のある陰謀について非常に詳しいことが多く、反論する側が議論で劣勢に立たされるのである。 この課題に対処するため、この研究ではLLM(GPT-4 Turbo)を活用した。実験では、計2190人の陰謀論者がLLMと3ラウンドの対話を行った。参加者は自分が信じる陰謀論を詳細に説明し、AIにはそれぞれの陰謀論の信念を低下させるよう指示した。 その結果、参加者の陰謀論信念が21.43%低下した。さらに、参加者の27.4%が対話後に陰謀論を確信しなくなった。この効果は2カ月後も持続し、非常に広範な陰謀論で一貫して見られ、陰謀論信念が深く根付い
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米シカゴ大学に所属する研究者らが発表した論文「Nightshade: Prompt-Specific Poisoning Attacks on Text-to-Image Generative Models」は、生成AIモデルの無断学習を抑止するために、学習されても予期せぬ動作をAIモデルに生成させる毒入りデータに画像を変換するツールを提案した研究報告である。 この攻撃は「Nightshade」と名付けられ、約200枚の細工画像をモデルの学習データに紛れ込ませるだけで、特定の単語に関連する画像生成を高確率で操作できてしまう。 攻撃者は特定の単
NTTテクノクロスとベルシステム24、アイ・オー・データ機器の3社は4月11日、同月から牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」(ブジダス)の提供を開始すると発表した。 国内畜産業の課題解決に向けた肥育農家向けの共同サービスとして、5年後に5万頭への導入と、売上規模で年間10億円を目指す。 BUJIDASは、ネットワークカメラとAIで牛の姿勢を判定、起立困難の発生を予防する日本初の非接触型サービス。具体的には、牛舎の環境・牛の頭数に応じた台数のネットワークカメラを設置し、牛舎の様子を常時撮影。また、導入時に起立困難になり得る危険な姿勢の映像をアノテーションにより設定、AIを個々の状況に合わせてチューニングすることで、危険な姿勢となっている牛の判定確度を向上させるという。 運用開始後は、危険な姿勢であるとAIが判断した場合に、ネットワークカメラから特殊音を発報。これにより、音に反
noteと弁護士ドットコムは4月8日、テキスト投稿プラットフォーム「note」上で、誹謗中傷や炎上を未然に防いだり、巻き込まれてしまった場合にフォローしたりする仕組みを、AIと法律を組み合わせて実現する施策の検証を始めると発表した。 noteにコンテンツを投稿する際に、弁護士ドットコム監修のもと、誹謗中傷や炎上リスクの可能性がある投稿内容をAIが探知し、事前にアラートを出す機能の検証を始める。将来は、APIを外部サービスに有償提供することも目指すという。 noteにAI法律相談チャットボットを設置する検証も実施。誹謗中傷を受けた場合やネット炎上に巻き込まれてた際に気軽に相談できるようにしたいという。弁護士ドットコムが提供する無料法律相談サービス「みんなの法律相談」との連携や、ニーズに沿った弁護士を探しやすくするサービスの検証も行う。 さらに、権利侵害や名誉毀損などについての知識を学べるイベ
大阪工業大学は4月5日、複数のAI関連技術を活用した「おしゃべり源氏物語 -生成AIで学ぶ『源氏物語』-」を開発したと発表した。マイクに向かって源氏物語について質問すると、生成AIで解説を作成し、音声とチャットで回答する。 開発したのは、同大学情報科学部 ネットワークデザイン学科の矢野浩二朗教授。OpenAI APIを用いた自動採点付き学習アプリを開発し、本格的に授業で実践するなど、生成AIを活用したさまざまな挑戦を行っているという。 おしゃべり源氏物語には、音声から文字への変換にAI音声認識のAmiVoice、文章生成にOpenAIのAPIを利用するなど、6種類のAI関連技術を活用している。 和歌の発音に関するデータを追加することで、和歌独特のリズムでの読み上げを可能にした他、古典が苦手なOpenAIのために和歌現代語訳をデータベース化するなど、開発には多くの工夫が必要だったという。 精
3人が殺害された事件を担当するワシントン州の判事は、この種の裁定としてはおそらく初めて、人工知能(AI)を使った動画を証拠として提出することはできないとの判断を下した。 Leroy McCullough判事はこの裁定について説明する中で、AI技術は「見せるべき」と捉えたものを見せるために不透明な方法を用いており、陪審員を混乱させ、目撃者の証言を損なう可能性があるとの懸念を示した。また、この動画を証拠として採用した場合、「AIモデルが使用する査読不可能なプロセス」をめぐり、長時間の審理につながる可能性があるとした。 問題の動画は、2021年にワシントン州デモインのラ・ファミリア・スポーツ・パブ&ラウンジの外で起きた銃撃事件に関するもの。この事件で3人が死亡、2人が負傷した。殺人容疑で起訴されたJoshua Pulokaという男は、2人の口論を和らげようとしていたときに撃たれ、自己防衛のために
Googleは米国時間3月13日、ゲームをプレイする同社の人工知能(AI)エージェント「Scalable Instructable Multiworld Agent(SIMA)」に関する研究内容を発表した。このエージェントは、言葉での指示に従ってゲームの中でタスクを実行できる上に、初めて見るゲームをプレイすることもできる。 この研究に設定された研究課題は、AIエージェントがあるゲームで覚えた知識を別のゲームに応用できるかどうか、そして、プレイしたことのないゲームでどのような振る舞いを見せるかということだ。 この研究の共同責任者であり、GoogleのAI研究部門DeepMindの研究者であるTim Harley氏は、このAIエージェントについて、「SIMAは、人間のユーザーから自然言語による自由な表現で決まった回答のない目標を与えられ、ゲームに元々用意されているインターフェースだけを使って、
米New York Times(以下、NYT)が昨年12月に米Microsoftと米OpenAIを著作権侵害で提訴した訴訟で、OpenAIは2月26日(現地時間)、ニューヨーク州南部地区地裁に訴訟の一部の却下を求める申し立て(リンク先はPDF)を提出した。 OpenAIは、NYTは著作権侵害の例を作成するために、ChatGPTなどのOpenAIのツールを「誰かに金を払ってハッキングさせた」と主張する。 文書によると、NYTが提示したような「異常な結果を生成するためには数万回の試行が必要」で、NYTはOpenAIの利用規約に明らかに違反する欺瞞的なプロンプトを使って例を生成したという。 NYTは、OpenAIとMicrosoftがNYTのコンテンツに基づいてAIモデルをトレーニングしたため、ChatGPTがNYTの記事をほぼそのまま再現できると主張し、訴状でそうした例を複数提示した。こうした
ベネッセコーポレーションとソフトバンクロボティクスは2月27日、生成AIを搭載した幼児向けサービス「しまじろう」を共同開発したと発表した。しまじろうの声を再現したAI「しまじろう」と子供が自由に会話したり遊んだりできるサービスで、専用の「しまじろうぬいぐるみ」に、専用アプリを表示したスマホを抱かせて使う。 しまじろうからテーマを投げかけて会話できる「おしゃべり」、しまじろうと一緒にできるごっこ遊びや連想ゲームなど「あそび」(20種類以上)、しまじろうと一緒に歌える「うた」、読み聞かせ「おはなし」(40種類以上)を収録した。 「おしゃべり」「あそび」「うた」「おはなし」は、日本語・英語に対応。おしゃべりやあそびの中で見えた子供の興味や感情をAIが分析し、保護者向けに専用サイトで表示する機能もある。 通信講座「こどもちゃれんじ」の年少向け「ほっぷ」受講者限定でモニターを1万人募り、無料で体験し
木村屋總本店(木村屋)と日本電気(NEC)は1月17日、AIを活用して開発した「恋AIパン」を2月1日から順次発売すると発表した。 開発にあたっては、Abema TVの恋愛番組「今日、好きになりました。」の参加者の会話と、フルーツやスイーツが登場する曲の歌詞をNECのAIで分析。恋愛感情と食品を紐づけて味を表現したのが恋AIパンだ。 第1弾は2月1日で「涙の失恋」味と「結ばれる両想い」味を発売する。第2弾は3月1日で、「やきもち」味、第3弾は4月1日で「運命の出会い」味と「初めてのデート」で、計5種類をラインアップ。価格は200円(税込)だ。関東近郊のスーパーや木村屋のオンラインショップ、直営店などで販売する。5月末までの出荷を予定しているという。
ある新興企業が開発したアプリは赤ちゃんの泣き声を「翻訳」し、お腹が空いているのか、不快なのか、疲れているのか、おむつ替えが必要なのかを教えてくれるという。ラスベガスで開催中の「CES 2024」でその技術を披露したCappellaは、人工知能(AI)と機械学習を使って乳児のニーズを読み解くという。 Cappellaによれば、この技術の精度は約95%。赤ちゃんのニーズを推測しようとする人間の精度が約30%であるのとは対照的だ。なお、アプリの解釈が正しくないと思えば、「同意しない」ボタンを押すことができる。 アプリは月額10ドルだ。睡眠、授乳、おむつ替えを記録できるので、より一般的な育児アプリとして使うこともできる。 また同社は、温度の分析(赤ちゃんが泣くのは暑いからか寒いからか)や、AIを使って赤ちゃんをあやすことにも取り組んでいる。 「画期的なAIを搭載した赤ちゃんの泣き声翻訳機によって赤
AI歌声合成ソフトを手掛けるテクノスピーチ(愛知県名古屋市)は1月11日、AI技術で人間の歌声を再現できるソフト「VoiSona」に、人型ロボット「Pepper」のボイスライブラリを追加した。これにより、Pepperの声で歌声を作ることができる。 このボイスライブラリは、Pepper用のアプリで提供していたもので、VoiSonaでも同等品質の合成音声を提供する。VoiSonaの公式YouTubeチャンネルでは、Pepperボイスのサンプルとして、楽曲「耳のあるロボットの唄」をカバーした動画を公開中。ボイスライブラリの価格は、年間ライセンスで6600円、月間ライセンスでは880円。 関連記事 「ペッパー」が踊るナイトクラブ、渋谷に爆誕 有名店のラーメンや寿司も楽しめる ソフトバンクロボティクスが、ロボット「Pepper」と踊れるクラブ「CLUB THE PEPPER」を、12月8日から営業す
米The New York Times(以下、NYT)は12月27日(現地時間)、米Microsoftと米OpenAIを著作権侵害で提訴した。両社がNYTの記事を「数百万件コピー」してAIモデルをトレーニングした結果、同メディアと読者との関係が損なわれ、購読料や広告などによる収入も奪われると主張する。 NYTは、OpenAIの「ChatGPT」とMicrosoftの「Copilot」(旧「Bing Chat」)のベースとなっているLLM(大規模言語モデル)が「NYTのコンテンツをそのまま引用し、要約し、表現スタイルを模倣する出力を生成できる」と主張する。訴状では、ChatGPTとCopilotによる生成コンテンツ上でNYTの記事と全く同じ部分を赤字で示す例を複数挙げた。
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