齋藤希史 まず漢文読解に役立つ小型辞典から。①『全訳漢辞海』(戸川芳郎監修、佐藤進・濱口富士雄編、三省堂、第3版2011年、3045円)は、古典文を読むための「古漢語」辞典として、語法分析に特色があり、付録も充実している。②『角川新字源』(小川環樹・西田太一郎・赤塚忠編、角川書店、改訂版1994年、2520円)は小振りだが多くの熟語を収録して信頼のおける簡潔な説明に定評がある。専門家の愛用者も多い。日本語における漢字語の辞典としては、五十音引きの③『角川現代漢字語辞典』(阿辻哲次・釜谷武志・林原純生編、角川書店、2001年、3990円)、近代文献から用例を集めた④『新潮日本語漢字辞典』(新潮社、2007年、9975円)がある。iOS/Android対応の漢和辞典では、⑤『漢字源』(藤堂明保・杉本昭・竹田晃・加納喜光編、ロゴヴィスタ、3045円)、⑥『新漢語林』(鎌田正・米山寅太郎著、ロゴヴ
『古写本和名類聚抄集成』 - Cask Strengthのエントリ以来、教育的(?)な配慮をもって書いていることが多いと感じる今日この頃。今日もそんな感じ。 普通なら、「いいこというね」とスルーするところですが、腐儒が空気を読まずにこれを検証するとしたらどうすればいいか。 ある漢字が伝統的にどのようによまれてきたか(訓読み)ということを調べるには、そういった訓を集成してきた『類聚名義抄』や『字鏡集』や『倭玉篇』といったものにあたることになります。しかし、このような古辞書の類は、そのスジの人なら当然自宅の書斎に備えつけているわけですが、一般家庭にあるような代物ではない。それに、いちいち何冊もの本に目を通すのは面倒ですよね。 そこで便利なのが『角川大字源』の「古訓」欄です。本書は一家に一冊置いておくといい辞書だよ。角川大字源 作者: 尾崎雄二郎,西岡弘,山田俊雄,都留春雄,山田勝美出版社/メー
ここまで検索まわりの説明をしてきました。 いよいよ、辞書の「中」に突入します。項目閲覧画面です。 項目内部から辞書の読み比べを簡単に始めるやり方や、語釈の読みやすさを向上する設定などに触れます。 ただ、操作は直感的にできることが多い割に、説明のほうがやや複雑になってしまったきらいがあります。「そんな機能があるのね」と斜め読みしてもらうのが、ちょうど良いくらいですかね。 【❗】記事作成者は物書堂の中の人でも何でもない一介のユーザです。内容の正確性にはかなり気を付けていますが、間違っているところもあるかもしれません。念のため。 なお、「項目閲覧画面」というのは公式な名称ではありません。 🏄 たどり着いた項目の先へ進む辞書は「引いて終わり」ではありません。 開いた項目の訳語・語釈や見出し語を新たな起点として、項目と項目、辞書と辞書を結びつけるようにして使うのが効果的です。 物書堂辞書には、その
iPhone・iPadそしてMacで使える神アプリ「辞書 by 物書堂」はもう全員お持ちですね。うん、そうですね。 以前、物書堂辞書アプリで使える3カテゴリの辞書コンテンツをご紹介しました(①国語辞書編、②英和辞書編、③英英辞書編)。 今回の記事はアプリ自体を賢く・すばやく引くための機能ガイドです。 せっかくの便利機能を!! 知らずにいる人が意外と多い!!! もったいなさの念を禁じえない。 この記事を読んで、物書堂辞書の親切設計を使いつくしてやりましょう。 まずは辞書引きの最も基本的なフェーズである「検索」の機能として、高度な検索方法やインデックス機能などを紹介します。 ことばを絞り込む、あるいはゆるく囲い込むための検索は、辞書引きの要。これをよく知れば、項目への距離が縮まり、辞書の利用価値は大きく上がります。 【❗】記事作成者は物書堂の中の人でも何でもない一介のユーザです。内容の正確性に
2016年11月、待ちに待った小学館『現代国語例解辞典』の4度目の改訂がなされました。数年前から改訂の噂は聞こえていましたが、気づけば前回の改訂から10年も経っています。 ▲現代国語例解辞典第5版。すてき 『現代国語例解辞典』に出会った日のことは今でも覚えています。あれは私がまだ国語辞書を集めはじめる前のことでした。 「うっちゃらかす」という言葉が当時の『新明解国語辞典』『三省堂国語辞典』の見出し語になっていない *1 ことに気付いた私は、他の辞書での扱いを確かめずにはいられなくなり、図書館へ急ぎました。 レファレンスの棚にあった国語辞書を机の右端に山と積み上げ、ひとつひとつ開き、「うっちゃらかす」の有無を記録してから左手によけ、新しい山を作る。単調な作業に眠さをこらえきれなくなった瞬間、その辞書は私の瞳に燦々たる光を投げ入れたのです。 仮名と漢字がともにブラケット*2に包まれた独特の見出
田口一郎 漢和辞典は、(1)主に漢文(中国古典文)を読むのに適したもの、(2)主に日本語の中の漢字・漢語を調べるのに適したもの、の大きく二つに分けられる。 まず(1)から。①『全訳漢辞海』(三省堂、第4版2016年、3000円。iOS対応App第3版3000円)は、語法分析や品詞別の語義解釈に特色があり、用例・付録も充実し、このカテゴリーでは支配的。②『新字源』(角川書店)は、堅実な説明と収録熟語の多さで定評があり、専門家にも愛用者が多かった。昨年末に改訂新版(3000円)が出たが、やや大振りになり(2)のカテゴリーに踏み出した感あり。①を買う余裕がない場合、②の旧版を安く購入する手も。③『支那文を読むための漢字典』(研文出版、第9版1999年、3000円)は、読解に役に立つ字書、①②の補完に。小型の辞典で解決できない問題は図書館等で④『大漢和辞典』(大修館書店、修訂第2版2000年、24
Top > 研究道具(その他) > 比較2024'【詳しい】英和辞典/英語辞書29点のおすすめ・選び方【高校/翻訳者/TOEIC/英検/英語学習者向け】英和辞典・和英辞典・活用辞典など 【今回レビューする内容】2024年 おすすめ英和辞典・和英辞典・英英辞典20冊の内容と選び方:(紙の辞書・本の辞書):大修館・研究社・学研・小学館:大学受験用・実務用など人気辞書の使い勝手や評価ランキング 【紹介する辞書】ジーニアス英和辞典 6版 ウィズダム英和辞典 オーレックス英和辞典 スーパー・アンカー ニューヴィクトリーアンカー 新英和中辞典 新英和中辞典 リーダーズ英和辞典 ジーニアス英和大辞典 ・小学館ランダムハウス英和大辞典 新英和大辞典 新和英大辞典 新編 英和活用大辞典 オックスフォード現代英英辞典 ロングマン現代英英辞典 コウビルド英英辞典 リーダーズ英和中辞典 コアレックス英和辞典 コン
2年ほど前、旧ブログでこちらを紹介しました。 マスコミ用語担当者がつくった 使える! 用字用語辞典 作者:安正, 前田,健一, 関根,昌, 時田,肇, 小林,順子, 豊田 三省堂 Amazon 参考記事:禿頭帽子屋の独語妄言 side A: #『マスコミ用語担当者がつくった 使える! 用字用語辞典』 『共同通信社 記者ハンドブック』などのように、お客さんに指定されることはまずないので、使用頻度は高くありませんが、商標かどうかを調べたりするときには便利です。 なんと、これが物書堂に入りました。いわゆる辞書とは違うので、なかなか意表を突いた展開です。 www.monokakido.jp もちろん、一般の辞書と同じようにも使えるのですが、「付録」が充実しています。 「付録」のメニューは以下のとおり。 このうち、書籍版でも付録として収録されていたのは ・マスコミ常用漢字表 ・自体が問題になる表外漢
元小学館辞書編集部編集長の神永曉(かみながさとる)さんは、日本最大級の国語辞典『日本国語大辞典 第二版』をはじめさまざまな辞書の編集に携わること、37年。その経験を活かして『悩ましい国語辞典』『辞書編集者が選ぶ 美しい日本語』などの著書を執筆、日本語の魅力を多くの人々に伝えている。日頃、何気なく使っているさまざまなことばについて、また辞書や図鑑といった書物について、神永さんと共に見つめ直してみたい。 辞書とはことばの変遷を切り取り、記していく書物 今では読者から“国語辞典のレジェンド”と称される神永さんだが、辞典編集の職に就いたばかりのころは、仕事がイヤでイヤで仕方なかったと笑う。 「もともとは文芸書を作りたくて出版社への就職を目指していたのですが、思うようにいかず、小学館の関連会社で辞典や教科書を作っている尚学図書に入社。 自分の意志はまったく関係なく(笑)、人事で『日本国語大辞典』の編
昨日の記事で、物書堂さんの「新学期・新生活応援セール」をご紹介しました。 これまでも、各種セミナーで物書堂の辞書は取り上げてきましたが、考えてみたら、具体的にどうやって使うのか、どんなところがいいのか、まとめて説明したことはありませんでした。iOSアプリなので、 なんとなく直感的に使えるよね~ くらいに感じていたからですね、たぶん^^ それでも、ごく簡単な使い方ガイドがあるといいのかなと思って、物書堂の良さをお伝えする意味も込めて、「新学期・新生活応援」ブログ記事を書いてみました。 わりと長い記事になったので、目次も設定してみたぞ。 ●コレクション画面 ●設定オプション ●トップメニュー →[付録] ●検索のしかた ●高度な検索 ●検索画面とそこからの機能 ●参考リンク ●コレクション画面 今さら言うまでもありませんが、アプリとしての名前は「辞書」で、開くと、購入した辞書がこんな感じに並び
今回は、中学生・高校生・大人(社会人)向けの古語辞典(下記14冊)について紹介します。なお、中学生用の古語辞典は中段に記載しています。 「ベネッセ全訳古語辞典 改訂版」 「小学館全文全訳古語辞典」 「旺文社全訳古語辞典」 「三省堂全訳読解古語辞典」 「ベネッセ全訳コンパクト古語辞典」 「旺文社全訳学習古語辞典」 「大修館新全訳古語辞典」 「旺文社古語辞典」 「ベネッセ古語辞典」 「三省堂例解古語辞典」 「講談社古語辞典」 「大修館古語林」 「明治書院最新詳解古語辞典」 「岩波古語辞典」 古文は日本語ですが、古文の学習は外国語学習のような側面もあり、「英和辞典」の中でも書きましたが、語学学習において経済面と本棚のスペースが許すならば、複数の辞書を常備するべきだと思っています。 辞書には、それぞれに捨て難い特徴があり、研究者によって様々な学説の違いもある。それに加えて辞書にだって間違いはありま
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