西洋料理の高級食材とされる国産の黒トリュフを人工的に発生させることに森林研究・整備機構森林総合研究所などのグループが成功した。昨年には白トリュフの人工発生も確認しており、今後は白黒両方のトリュフが安定的に育つ条件を探り、栽培技術開発を進めていくという。 トリュフの和名はセイヨウショウロ。マツタケと同様、生きた樹木の根に共生して増殖する菌根菌から発生するキノコの仲間だ。国内には20種以上が自生しており、食材として期待できる種もあることから、森林総研の山中高史東北支所長(微生物生態学)らは、トリュフの生育に適した樹種や土壌環境を解明し、国産種のトリュフを発生させる取り組みを2015年ごろから始めた。 菌根菌であるトリュフと樹木の共生の仕組み。トリュフは樹木から糖など光合成産物をもらう一方、土壌中から集めた養水分を樹木に供給するとみられる(森林総研提供)