公共図書館は「情報のダム」 雨が降らなくて水不足になったとき、すでに干上がった川から水を汲み上げようとしても無理ですよね。だから日本中の川にダムが造られるわけです。同じように、情報も水のように常に流れていくものなので、いざというときのためにダムに貯めておかないといけません。 図書館はまさに情報のダムです。日本でいちばん多い図書館は、地域にある公共図書館です。すべての都道府県に合計3305館あります。スパイの専門用語でも、図書館のように情報を集約する機関を「インテリジェンス・ コミュニティー」と呼んでいて、情報収集のいちばん重要な場所だとしています。 図書館は、どちらかというとアナログにかたよってきましたが、コロナをきっかけに資料のデジタル化にも力を入れています。これをデジタルアーカイブといいます。 とくに公共図書館は「情報のダム」として、地域の記録(郷土資料)を残すのが役目です。郷土資料は
本で育った。友達がいなかったから、子どもの頃は本ばかり読んでいた。 実家には壁一面の本棚があって、休日はいつも本棚の前で過ごした。 悲しい話から失礼します。ライターの岡田悠と申します。背後に本棚があるので、もうちょっと本棚について語らせてください。 本棚は、生き物みたいだと思う。本を買ったり、処分したりを繰り返していくうちに、身体の細胞が少しずつ入れ替わっていくように、本棚の中身も変化していく。 だから昔の写真やおもちゃは残っていても、昔の本棚は残っていない。 本に支えられていた、子どもの頃。当時の本棚には、自分の原点が詰まっていると思う。当時の本棚を、再現してみたい。そしてノスタルジーに浸りたい。 ちょうど先日、実家に帰省する機会があったので、2023年現在の実家の本棚を確認してみた。本棚自体は昔と同じものだが、僕が実家を出た後に家族が使っていたので、中身はほとんど入れ替わっている。 現
高松市中央図書館は15日、所蔵する小説などのページが破り取られる被害が昨年以降相次ぎ、約30冊で確認されたと明らかにした。東野圭吾さんや湊かなえさん、桐野夏生さんら人気作家の作品で、100ページ以上破られた本のほか、ミステリーの結末が読めなくなったケースもあるという。同館は悪質ないたずらとみて、器物損壊容疑での被害届提出を検討している。 同館によると、昨年以降、利用者からの申告や蔵書の整理中に被害を確認。今年7月から警告する張り紙を館内に掲示したが、被害が続いている。本が返却された際に損傷は確認されていないため、館内で破られたとみている。 同館には、本館と約2キロ離れた分室があるが、双方で被害を確認した。近隣図書館の状況は不明という。 同館資料係長の柏敦子さんは「これほどひどい状況は初めてで、非常に残念。公共の財産なので大事に使ってもらいたい」と話した。
これが図書館? 全面ガラス張りの開放的な空間。大企業が始めたコミュニティ型図書館「まちライブラリー」を見てきました 西東京市 地縁型のつながりが薄れ、都会では近隣に暮らす人たちと接点をもつのが難しくなっています。そこで、地域密着のゆるやかなコミュニティの入口として、全国に増えているのが「まちライブラリー」です。本を介して気軽に人と関わることができるコミュニティ型の図書館。自宅やお店の一角に本を置いて、誰もが気軽に始められるというので人気があり、今や登録数は1000件以上にのぼるのだとか。 そんなまちライブラリーのひとつが、新たに6月末、東京都西東京市に誕生しました。資本力のある大企業がバックアップすることで、これまでとはまた違う、市民にとって嬉しい空間が生まれている。そんな先行事例を見てきました。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が始めた「まちライブラリー@MUFG P
図書館で本を借りられることは正しいのか? 「図書館で本を借りられることは正しいのか?」と問われて、「正しい」と答えるのが正しい。 どのように正しいのか。AIにいくら「図書館が本を貸し出すことの弊害」を訊いても、結局は「図書館が本を貸し出すこと、市民が本を借りられることは正しい」と答えるくらいには正しい。そのくらいポリティカルに正しいのだ。 日本には「図書館の自由に関する宣言」というものもある。1954年に採択された。少し長いが引用したい。 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。 1.日本国憲法は主権が国民に存するとの原理にもとづいており、この国民主権の原理を維持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すなわち表現の自由の保障が不可欠である 知る自由は、表現の送り手に対して保障されるべ
雑誌専門図書館「大宅壮一(おおやそういち)文庫」(東京都世田谷区)が1億4000万円を投じ、ホームページ(HP)から利用できる記事検索システムを大規模にリニューアルした。最大の特徴である「索引」のデータベース(DB)を大幅に拡充し、スマートフォン用の画面も見やすく一新。雑誌文化の衰退に歯止めがかからず、来場者の減少で文庫の存続も危ぶまれる中、思い切った投資で苦境の脱却を図りたい考えだ。(原田遼) 大宅壮一と文庫 大宅壮一(1900〜70年)は戦後日本を代表する評論家で、「一億総白痴化」「恐妻」など多くの造語を生み出した。文庫は大宅の死後、約20万冊の蔵書を広く利用してもらおうと、遺族らが東京都世田谷区八幡山にあった書斎を改装し、71年に日本初の雑誌専門図書館として設立された。現在は公益財団法人が、入館料や寄付金などで運営している。入館料は一般500円。開館時間は午前11時〜午後6時(閲覧受
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先日、国立国会図書館所蔵のサンリオSF文庫の一部がデジタル化作業中のため利用できなくなっている旨をツイートしたところ、大変な反響と共に拡散された。 国会図書館のサンリオSF文庫が続々とデジタル化作業にかけられている pic.twitter.com/m2lUWER1AI — 下村思游 (@ss_scifi) 2022年10月11日 ここまで拡散されたのは私の想像を遥かに超えており、大変に言葉足らずなツイートになってしまっているので、この文章によって補足を行いたい。 要旨 一問一答 自宅でサンリオSF文庫の電子データが読めるようになる? あのサンリオSF文庫が読めるようになるかな? 元資料は裁断される? 国立国会図書館の電子図書館事業 個人向けデジタル化資料送信サービス 国立国会図書館デジタルコレクション 付録:サンリオSF文庫の復刊状況 参考資料 要旨 国立国会図書館所蔵のサンリオSF文庫の
フランス国立図書館のビデオゲーム・アーカイブに収蔵されているマグナボックスの家庭用ゲーム機「オデッセイ」(2022年8月4日撮影)。(c) BERTRAND GUAY / AFP 【9月4日 AFP】仏パリ・セーヌ(Seine)川のほとりにあるフランス国立図書館(Bibliotheque Nationale de France)には、あらゆる形式のビデオゲーム約2万タイトルが収蔵されている。カートリッジから、フロッピーディスク、CD-ROMに至るまでで、今後も年間2000タイトルが追加される。 収蔵は、1992年に制定されたマルチメディア記録の保存に関する法律に基づき進められており、20人体制で管理している。 同図書館のビデオゲームのアーカイブ責任者ローラン・デュプイ(Laurent Duplouy)氏は「ビデオゲームはグラフィックアート、ナラティブアート、ストーリー構造が組み合わされた総
国立国会図書館デジタルコレクションは最高である。 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い まずは遊んでみる 使いまくりたくなったら準備しておくと効率が良い 無料でできる 検索演算子だけ覚えておく 国立国会図書館デジタルコレクションの使い方を知っておく 国立国会図書館オンラインに登録しておく メモ環境を作る 有料でできる パソコンを用意する できれば良い椅子とモニタがあったほうがいい 速度を意識して使う 速くなるとどうなるのか そこに全てはない ものすごいものをどうでもいいことに使うということ 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い。 dl.ndl.go.jp 「国立国会図書館デジタルコレクション」では著作権など権利状況に問題がないことが確認できた約36万点の資料が無料で公開されており、ようするに古い本が無限に読めるサービスだ。
『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんは昨年「独学」「執筆」に加えて「復刊」をライフワークとしていくことをTwitterで宣言した。この連載「読書猿が推す『良書復刊』プロジェクト」では、読書猿さんが推す復刊本や、復刊に関係する話を紹介していく。 2022年5月19日より、国会図書館による「個人向けデジタル化資料送信サービス」がスタートする。ごく簡単に説明すると「国会図書館デジタルコレクション所蔵の絶版本や雑誌が、自宅で読み放題になる無料サービス」だ。読書猿さんは、このニュースは全国の独学者にとっても福音であると話す。今回は、元司書でレファレンス担当だった書物蔵さんを対談相手に迎え、同サービスの使いこなし方、楽しみ方を語ってもらった。(取材・執筆/藤田美菜子) 「自宅の隣に国会図書館」のインパクト ――今回スタートする、国会図書館の「個人向け
文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) あるコラム投稿記事(2022/4/28修正;2022/5/10追記:こちらから読めます)のことがTwitterでいくつか流れてきたので、もとの文章(末尾の文献)を確認した。それは、元国立国会図書館(NDL)司書で歴史学者の方が書いた短いコラムだ。 コラム投稿記事の要点はこうである。著作権保護期間が満了した著者の著作にネット公開されていないものがあるのでNDLに問い合わせた。その結果から、以下のような状況だという。 ・当該ネット非公開著作物には、校正者と索引作成者への謝辞がある。奥付に名前がなくても彼らも著作者として扱っている。 ・当該著作物には他の文献からの引用(15行程度)が含まれているので、その文献の著者の保
Published 2022/04/23 17:39 (JST) Updated 2022/04/23 17:51 (JST) 絶版本など入手困難となった貴重な書籍や資料を、インターネット経由で提供する国立国会図書館のサービスが、5月19日に始まる。個人として同館の利用者登録をしていれば、自宅のパソコンやタブレット端末で閲覧できるようになる。 登録手続きは東京都千代田区の同館と京都府精華町の関西館のほか、郵送でもできる。氏名、自宅住所、電話番号などを記した申請書の提出と、運転免許証などの本人確認書類の提示が必要。原則当日完了するが、郵送なら1週間程度かかる。サービス開始時にはネットでも手続き可能にする。 閲覧できるのは、電子データ化が済んだ約153万点(1月時点)。
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