大小かかわらず、官民問わず、さまざまなプロジェクトが進行する中で、「予算内、期限内、とてつもない便益」という3拍子を揃えられるのは0.5%に過ぎない。 中でも橋やトンネル、高速道路、鉄道といった大型建設工事プロジェクトの実績は芳しくない。世界中のプロジェクトの「成否データ」を1万件以上蓄積・研究するオックスフォード大学教授が、予算内、期限内で「頭の中のモヤ」を成果に結びつける戦略と戦術を解き明かした『BIG THINGSどデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。 出だしからつまづいた大型プロジェクト デンマークは半島と東部の多くの島からなる国だ。デンマーク人は、古くから渡し船の運転や橋の建設を得意としていた。そのため、政府が1980年代末に「グレートベルト」プロジェクトを発表したのも、当然の成り行きと言えた。これは首都コペンハー