移築の計画が浮上している川崎家住宅。山鉾町の景観にも関わるだけに、地元関係者が懸念をしている(京都市中京区) 祇園祭で山鉾が建つ京都市中心部にあり、解体・移築の計画が浮上している市指定文化財の京町家「川崎家住宅」(中京区新町通三条下ル)を巡り、京都市は1日、市の許可なく解体・移築しないよう所有者に警告を発した。「(文化財の)価値を滅失することがあれば、法的にも道義的にも看過できない深刻な事態」になると指摘。市指定文化財所有者への警告は、過去に例がないという。 警告文は川崎家住宅について、洛中にある大規模な京町家で、祇園祭山鉾町の景観を構成する重要な要素として、「建物は地域と一体をなして継承されるべきもの」と強調。解体・移築は制度的に可能としても、市文化財保護条例に基づく手続きが不可欠で、市への届け出と許可がない現状では条例違反になると警告している。 市は1日の記者会見で、「文化財は元来の場