予想通りひどい本だった。山形さんがしばし待たせてから、懇切に書いてくれていた。 編者の議論がとにかく変。支離滅裂に「誤読」して俺様が〜と吠える人こそが、人文社会学の存在意義を疑わしめる原因となっている。社会悪なので、きちんと指摘しないといけない。...
予想通りひどい本だった。山形さんがしばし待たせてから、懇切に書いてくれていた。 編者の議論がとにかく変。支離滅裂に「誤読」して俺様が〜と吠える人こそが、人文社会学の存在意義を疑わしめる原因となっている。社会悪なので、きちんと指摘しないといけない。...
米エリート大学の嘆かわしい現実 ―― 失われた人間教育と格差の拡大 Class and the Classroom ―― How Elite Universities Are Hurting America アメリカのエリート大学は若者に教養と規律を与える場ではなくなっている。大学は学部生を教える仕事を薄給の非常勤講師に任せる一方で、学生とはほとんど接することのない著名な研究者をリクルートすることに血道をあげている。経験が豊かで献身的な教員の指導のもとで、学生たちがさまざまな概念について意見を交換し、人生の目的を考え、それまで常識と考えてきたことに疑いを抱くような経験をさせるという役割はもはや重視されていない。親にも問題がある。いまや十代あるいはそれ未満の子供時代でさえ、名門大学に入るための激しい競争のなかにいる。・・・完璧な経歴づくりは、プレスクール選びから始まり、小中学校を通じて
財務省(香川俊介事務次官・1979年旧大蔵省入省)は、中央省庁で圧倒的パワーを持ち、「省庁の中の省庁」と言われてきた。 その財務省でちょっとした「変事」があった。 それは、2015年度総合職新規採用者23人に関することである。 国家公務員総合職試験合格者551人のトップ、つまり財務省入省23人中の一番は九州大学法学部卒業生。東京大学法学部卒業生ではなかったのだ。霞が関では初めての快挙である。 それだけではない。23人の出身高校を見ると、東京の有名私立進学校卒業生がゼロなのだ。 今年春の東京大学合格者ランキングでも分かることだが、184人の開成高校、88人の麻布高校、82人の駒場東邦高校がベスト3である。 この“御三家”からの財務省採用者が皆無ということはかつてなかったことだ。「霞が関の異変」と言っていい。 ただし、名門私立進学校として有名なラ・サール高校(鹿児島)卒業生が2人いる。 出身高
首都圏の私立大学に昨春入学したうち、親元を離れて通う学生(下宿生)の1日当たりの生活費は897円で、比較できる1986年度以降初めて900円をきった。東京私大教連が3日、そんな調査結果を発表した。保護者からの仕送り額も過去最低で、首都圏の私大に通う地方出身の学生らの窮状が浮かんだ。 調査は2014年5~7月、東京都と神奈川、埼玉、千葉、茨城の4県にある14大学の新入生の家計負担について、保護者に聞いた。4330件の回答を得た。 約4割の下宿生に対する14年度の仕送り額は、新年度の出費が落ち着く6月以降の月平均で8万8500円で、前年度から500円減。ここから家賃を除き、30日で割った「1日当たりの生活費」は897円。入学と同時に消費税率が引き上げられたにもかかわらず、前年度を40円下回って過去最低だった。 記者会見した東京私大教連書記長の中川功・拓殖大教授は、「地方経済が疲弊して家計が苦し
発達障害の大学生や卒業生の就労支援が始まっている。大学の街・京都では今春、就職活動や職場定着をケアする専門施設がオープン。就職活動がうまくいかなかった学生のために卒業後の就労を後押しする大学もある。卒業後の引きこもりなど社会で孤立しないための就労支援が求められている。(横山由紀子) ◆職場定着を 午前10時前、京都市下京区のビルの一室。スーツ姿の20代の男女約10人が自己分析講座を受けていた。好きなこと、嫌いなことを理由とともに書き出していく。好きな場所に「薄暗い場所」を挙げた男性は、理由に「自分の世界に浸っていられるので」。講師は「これまで体験した出来事の中で好きなこと、嫌いなことを振り返ることは仕事選びのヒントになります」とアドバイスする。 4月開設の発達障害のある大学生や卒業生らを対象とする就労移行支援事業所「エンカレッジ京都」。高等教育を受けた発達障害者の就職に向け、コミュニケーシ
小保方晴子さんのSTAP論文騒動については、世間では彼女の擁護派と批判派が拮抗しているようである。Yahoo意識調査(4月19日現在)によると、約半分の人が彼女の会見について「納得できなかった」、3割が「納得した」、残りが「内容がわからない」あるいは「見ていない」という結果である。週刊誌には、「小保方晴子というリトマス紙」などという見出しも出ていたが、言い得て妙で、彼女に対する考え方は、その人が「他の人をどのように見るか」を極めてよく反映している。小保方さん個人への感想はさておき、今回の小保方騒動は、我が国の高等教育、研究制度などの問題点を見るのに極めてよい鏡であるように思える。これは私のブログの最初の記事であるが、今回は彼女を通して見えてくる我が国の「高等教育の問題点」について論じてみたい。 ウィキペデイアによると、小保方さんは1983年の生まれであり、公立中学・私立高校を卒業後、200
今日はSTAP細胞研究の筆頭著者の会見が行われており,ニュースは祭り状態になっております. 私も学者・科学者の端くれという立場から本件について折にふれて話すこともあるのですが,いかんせんこのニュースは「論じるべき素材がまだ揃っていない」状態ですので,ブログでは控えております. 大変な事態であることはたしかなんですが,ニュースサイトなんかのコメントを見てると,ちょっとラリってる人が多いんじゃないかと心配でなりません. というわけで,ラリってるついでに以下の記事をお楽しみください. 危ない大学とか消える大学とか,あとは生き残る大学というのを扱う書籍を見かけますが,そうしたものを読んでみましても,やはり切実感と親近感を足して2で割った感情に欠けます. ここで一つ,教職員の方々であれば可能な限り奉職したくない大学というのはどんな大学なのか?という点に絞って書いてみました. 外からではわからない,働
東京新聞にこういう記事が出ていたので、 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014032902000159.html(大学運動選手は「従業員」 米で労組認める決定) 【ワシントン=斉場保伸】米政府の独立行政機関である全米労働関係委員会は二十六日、イリノイ州の名門ノースウエスタン大学アメリカンフットボールチームの選手らに対し「従業員であり、労働組合結成を認める」との決定を出した。複数のメディアが伝えた。学生スポーツの選手を「従業員」として位置付ける判断として注目を集めている。 選手らは一週間に五十時間アメリカンフットボールに「従事」した事例などを掲げ、組合を結成することでより手厚い健康保険や脳振とうの検査、奨学金の充実を求め、大学側と交渉ができるよう訴えていた。 これを受けた委員会は選手らが試合に出場することなどで数百万ドル(数億円
大学卒業で授与される学位「学士」の名称が過去約20年間で大幅に増え、約700種類に上っていることがわかった。 省令で定めていた1991年までは25~29種類だったが、その後20倍以上になっていた。「キャリアデザイン」(法政大)や「観光交流文化学」(杏林大)などユニークな名称が多く、大学が独自色を出すことで、学生を集めようとしたためとみられる。 読売新聞の「大学の実力」調査で判明した。調査は全国の大学740校を対象に6月に行い、648校の回答を得た。 学士の名称は戦後、大学設置基準(省令)で定めてきたが、基準緩和で91年以降、自由につけられるようになり、年々増加。今回の調査回答では696種類が確認できた。その大学にしか存在しない名称も426種類に上り、約6割を占めた。 「環境情報学」(慶応大ほか)や「国際日本学」(明治大)など、時代に合わせて情報や文化、福祉、国際の言葉を使った名称が目立った
私は、アメリカから日本に帰国して帰国枠受験や高校編入後の通常の大学受験をする生徒も指導しているので、センター試験というのは他人事ではありません。基本的には、こうした「答えのある」ペーパーテストで、しかも「一発勝負」というのには否定的なのですが、指導をする上ではそうも言っていられないのです。 そんなわけで、英語と国語の2科目を詳細に見てみたのですが、この2教科では出題の方針が全く違うことに今更のように気づかされました。 まず英語の方ですが、何かと話題になるリスニングだけでなく、ペーパーの方でも「コミュニカティブ」と言いますか、内容的には日常会話であるとか、ビジネスっぽい言い回しであるとか、留学生活の上で遭遇しそうなシチュエーションなど、往年の「英文解釈、和文英訳」式のスタイルとはだいぶ違ってきています。 中でも、ここ数年の特徴として自然科学を扱った英文にグラフやデータを混ぜたサイエンス的なテ
Stanford大学 BioX Clark Center New York Timesの先週の日曜版に掲載されたBetter Colleges Failing to Lure Talented Poor。3月に発表された論文(PDF)の内容をベースに書かれた記事だが、私が「やっぱりね」と思ったのがこの点: 全国で学力がトップレベルの高校生を、親の収入で4段階に分類してみたら、親の収入が一番多い方から順に、34%、27%、22%、17%だった ちなみに、この記事の「学力トップレベル」とはトップ4%。4%は、日本だと早慶+国立というレベルになるようだ。(いずれも、大学を受けない人も母数に含む)。 何が「やっぱりね」かというと、「親の努力で変えられる子供の学力の割合は小さそうだ、やっぱりね」と。・・・・いや、このデータからこの「やっぱり」へは少々飛躍があって(ADDだから)、そもそも「収入が高い
人口減なのにナゼ大学は増える!?法政大学教授が語る 「劣化」する大学の実態 宝島 1月8日(火)18時30分配信 ■無試験で入学させる制度が大学を劣化させた 田中眞紀子の発言、「いまの大学は愚者の楽園だ!」、ぼくは大賛成です。もちろん、タイミングなどを 考えてほしいけどね。ともかく主旨はズバリYESですね。大学はもう末期的な状態です。死亡診断書を 書きたいくらい。先月の朝日新聞に大手私大(慶応・立命館)も経営難のために、給料に関して教職員と 揉(も)め、組合と裁判沙汰になっている、なんて記事が出ていました。私大は、どこも大変です。多くの 私大が、いつ潰れてもおかしくない状態ですよ。 それに、いわば偏差値戦争とでもいうような状況です。東京の私学の雄と謳われている大学と いえども、半分は無試験で入れておりますから。信じられないでしょうが、旧帝大や一橋大、東工大 といった超有名な
全国私立大学付属・併設中学校高等学校教育研究集会という長い名前の集まりに呼ばれて一席演じる。 教授会がある時間帯なので、ほんとうは断るべき学外バイトであるのだが、なにしろお相手が全国の中高名門校の先生方である。 大学案内をかかえて「あの〜、進路指導の先生にお会いしたいんですけど〜」と腰を低くして職員室にうかがっても、「あ、そのへんに資料だけ置いて帰っていいです」というような扱いを受けてきた身としては、「まとめて営業」できる機会というのはこちらからお鳥目を差し出しても伺いたいところである。 研究集会のテーマは「教育の不易と流行-多様化する社会における一貫教育の役割」というものである。 ちょうど『街場の教育論』が出たところなので、「学校教育は惰性の強い制度であり、社会の変化に即応すべきではない。変化しないことこそが教育の社会的機能なのである」という持論を述べる。 直前の教務委員会で来年度の学年
クビにされそうだった大学教員です。現役大学生とか、これから大学生になる人とか、大学生の親になる人向けのつもりで。 面白かったときにブログランキング【ココ】を押してもらうと、中の人が喜びます。 成績表を親に配るぐらいは、100年も前からやっているような気分。 秋の父兄会は、前期の成績をさかなに親と懇談する。 そんな会が、この週末に予定されている。 それぞれの教員に、担当する学生が割り振られているが、20人の顔と名前が一致する教員など少数派だろう。フラスコのように実験を担当していると、覚えるチャンスもあるけれど、100人単位の教室で講義しかしていない先生には、相当難易度の高い作業だ。 しかたがないので、父兄から「父兄会に出席する」と連絡のあった学生のみ、父兄会直前に面接をし、当日は毎日面倒みているような顔で話す。 学年によっては、講義を担当していない学生もいたりするが、気にせず話す。自信満々に
田中真紀子文部科学相が秋田公立美術大(秋田市)など3大学を「設置不認可」とした問題は、田中文科相が発言を二転三転させたあげく「認可」に言及、9日にやっと謝罪して決着した。文科相が突然「認可」と態度を変えたのが7日の衆院文部科学委員会。与野党総掛かりで田中文科相を翻意させた舞台裏が、川内博史同委員長(民主)らの話で明らかになった。 同委員会は午前9時半から昼休憩を挟んで午後4時まで続き、質問した10人のうち8人が、不認可とした文科相の見解をただした。 さらに午前中の質疑で、下村博文議員(自民)は不認可の撤回を求める委員会決議を提案。決議に強制力はないが、全員一致が原則のため成立すると「与野党の総意」の重みがある。午前中は採決は見送られたが、昼休憩中に開かれた理事懇談会で、事態の収拾を図る川内委員長が自ら決議を再提案。野党理事は全員賛成したが、民主党理事は反対。川内委員長は、党の説得に乗り出す
田中真紀子文科相は秋田公立美術大など3大学の2013年度開校を不認可とした問題について6日に大学設置認可に関するあらたな検討委員会を発足させる意向を表明した。 文科相の諮問機関である大学設置・学校法人審議会の見直しをこの委員会で行い、改めて3大学の設置認可を判断することとして、来春の開学への可能性を残す考えである。 大臣は設置審議が「許可されてから工事をするならわかるが、ビルが建って、教員も確保してから、認可申請をするというのは筋違いだ」と批判した他、設置審議会の構成が委員29名中22名が大学関係者であることを咎めて、「多くのジャンルの方の意見を聞きたい」とした。 不認可という爆弾を放り投げてみたものの、世論の袋叩きに遭って、あわてて引っ込めたということである。 政治的にはそれだけの単なる失策に過ぎないが、この失策の背後には大学教育をめぐる本質的な問題点がいくつも透けて見える。 ひとつは文
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