香港(CNN) 中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)6号」が4日、月の裏側で初めて採取した岩石を格納して、月面から離陸した。中国の宇宙超大国としての台頭を見せつける野心的なミッションは、これで完了に近付いた。 中国は嫦娥6号の離陸前に、世界で初めて月の裏側で国旗を掲揚したと報じられている。 中国国家航天局の発表によると、嫦娥6号は2日間にわたって試料を採取した後、月面を離れて北京時間の4日未明に月の軌道に入った。 地球への帰還にはおよそ3週間かかると推定され、6月25日ごろ中国の内モンゴルに着陸する見通し。 2020年には嫦娥5号が月の地球に面した側で採取した試料を持ち帰っており、中国による月の試料採取は今回が2回目だった。 国家航天局が4日に微博(ウェイボー)に掲載した写真には、月面をドリルで掘削して描いた中国の「中」の文字が写っている。
レポート 長周期彗星を迎え撃つ探査機「Comet Interceptor」とは? 日本が開発する子機に注目! 人類として初めて長周期彗星や恒星間天体を直接探査しよう、という非常に野心的なプロジェクトが「Comet Interceptor(コメット・インターセプター)」である。このプロジェクトは欧州宇宙機関(ESA)が主導しているものだが、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)も子機の提供で協力。2029年の打ち上げに向け、日欧で現在開発が進められている。 「Comet Interceptor」のイメージCG。母船の上に子機が2台搭載される (C) ESA 日本側が提供する子機の開発メーカーとして選ばれたのは、2018年創業の宇宙スタートアップ「アークエッジ・スペース」だ。超小型の子機とはいえ、JAXAの深宇宙探査機の開発メーカーとして、宇宙スタートアップが選定されたのはこれが初めて。同社で
6月末に打ち上げを迎える先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」。衛星地球観測を推進する産学官の「衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)」は、鹿児島市・種子島での研修会を会員向けに開催した。 CONSEOによる研修会が鹿児島市・種子島にて行われた(撮影:秋山文野) 1日目は、衛星データの利用促進に向けた講演と会員の成果発表という座学の機会であったのに対し、2日目は衛星を軌道上へ送り届ける役割を担うロケットの仕事を実感する見学ツアーだ。今年度ついに運用段階に入ったH3ロケットと、宇宙デビューを控えたALOS-4の今に迫るツアーを、写真とともに紹介する。 ※一部の施設は撮影が制限されているため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公開素材を掲載しています。 H-II機体(撮影:秋山文野) CONSEO研修会1日目のレポートはこちら:「衛星データ利用のプロたちがALOS-4に熱視線 - C
北海道大学(北大)と九州大学(九大)は5月30日、三体問題に由来する「カオス軌道」をいくつも渡り歩いていく手法を考案し、地球-月の「円制限三体問題」の最小モデルである「ヒル方程式系」において、地球周回軌道から月周回軌道へ宇宙機が向かう場合、従来の軌道を上回る、高効率で短時間、なおかつ頑健な軌道を設計することに成功したと共同で発表した。 同成果は、北大 電子科学研究所の佐藤讓准教授、九大大学院 工学研究院 航空宇宙工学部門の坂東麻衣教授、同・大学 工学府 航空宇宙工学専攻の平岩尚樹大学院生、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学 数学研究所のイザイア・ニゾリ博士らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、米国物理学会が刊行する物理とその関連分野を扱う学際的な学術誌「Physical Review Research」に掲載された。 今回設計された、地球から月までのカオス軌道を渡り歩いていく宇宙機の軌
東京大学(東大) 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)は5月30日、「原始ブラックホール」(PBH)生成に関係した大きな振幅を持った小さなスケールのゆらぎ同士が、量子論的にぶつかり合う効果を場の量子論に基づいて詳細に計算した結果、小スケールに生成した大きなゆらぎが「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)で観測されるような大スケールのゆらぎにも影響を及ぼすことを明らかにしたと発表。 また、太陽の数十倍の質量を持つブラックホールの起源やダークマターの起源を、PBHによって説明できるほど大きなゆらぎを予言するモデルにおいては、CMBの観測結果と矛盾してしまうことから、大きな質量のPBH生成のためにはより複雑なモデルを考えるか、まったく別のメカニズムを考える必要があることが示されたと発表した。 同成果は、Kavli IPMU 機構長兼東大大学院 理学系研究科 附属ビッグバ
中国国家航天局(CNSA)は2024年6月4日、CNSAの月探査機「嫦娥6号(Chang’e 6)」が世界初となる月の裏側でのサンプル採取を完了し、離陸した上昇機が月周回軌道へ戻ることに成功したと発表しました。CNSAは嫦娥6号のセルフィーを含む複数の画像もあわせて公開しています。【最終更新:2024年6月4日13時台】 嫦娥6号はCNSAによる月探査ミッションの無人探査機です。地球からは直接見ることができない月の裏側に着陸して周辺の観測を行うと同時に、スコップとドリルを使用して約2kgのサンプルを採取し地球へ持ち帰るサンプルリターンを目的としています。成功すれば月の裏側からのサンプルリターンは世界初となります。 【▲ 打ち上げ準備中の月探査機「嫦娥6号」。着陸機の側面に取り付けられた小型探査車らしき装置が写っている(Credit: CASC/CAST)】 2024年5月3日(日本時間・以
#インド インドの宇宙スタートアップであるAgnikul Cosmosは現地時間5月30日、3Dプリンターで製造したエンジンを搭載したロケットの打ち上げ実験を成功させた。 今回打ち上げられた「Agnibaan SOrTeD(Suborbital Technology Demonstrator)」は、高度700kmの軌道に最大300kgの貨物(ペイロード)を投入することが可能だ。インド南東部のシュリーハリコータにあるサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられたAgnibaan SOrTeDは、2分間の飛行で高度8kmに到達した。 Agnikul Cosmosは自動化された3Dプリント技術を使用して、ロケットエンジン1基を約75時間で製造している。これは、従来の製造プロセスを使用した場合の10〜12週間よりもはるかに早いと、同社の創業者で最高経営責任者(CEO)であるSrinath Rav
【6月4日 Xinhua News】中国の月探査機「嫦娥6号」の上昇機が4日、月の土壌試料を搭載して月の裏側から離陸し、予定されていた月周回軌道に入った。月の裏側で土壌試料採取と離陸を完了したのは世界初となる。(c)Xinhua News/AFPBB News
【6月4日 Xinhua News】中国の月探査機「嫦娥6号」が2日早朝、月の南極付近にあるエイトケン盆地に着陸したことを受け、国家航天局は着陸機のカメラが捉えた軟着陸の映像を公開した。(c)Xinhua News/AFPBB News
中国の国営メディアは4日、中国の無人の月面探査機が、月の裏側で岩石などのサンプルの採取を終え、月面を離陸したと伝えました。地球に持ち帰ることに成功すれば世界で初めてとなります。 国営の中国中央テレビによりますと、先月初めに打ち上げられた中国の無人の月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」は2日、月の裏側への着陸に成功しました。 そのあと、中継用の衛星を通して地球との通信を続け、2日間かけて、月の裏側の複数の地点で、表面や地中から土壌や岩石のサンプルを採取したということです。 公開された映像には、ドリルやひしゃくのような機具を使ってサンプルを採取する様子がうつっています。 そして「嫦娥6号」は日本時間の4日朝8時40分ごろ、サンプルを載せて月面を離陸し、予定どおり月の周回軌道に入ったということです。 「嫦娥6号」が着陸した月の南極周辺は、飲み水や燃料としての利用が期待される水が氷の状態で存在する可
地球上で最初の生命が誕生した場所についてはさまざまな説が唱えられていますが、その有力な仮説として海底の「熱水噴出孔」が挙げられています。 熱水噴出孔が存在する場所は「熱水域」とも呼ばれていて、そこでは無機物から有機物が合成されることで単純な生命体が出現するための重要な条件が揃っていると言われています。現在の地球でみられる熱水噴出孔の周辺でも多くの生物が活動し、独自の生態系を形成していることが知られています。 そのため、もしも地球外の惑星や衛星で熱水噴出孔の存在が確認されれば、その星に生命が存在する可能性が示唆されることになります。つまり、熱水噴出孔は有力な「バイオマーカー」(生命が存在する指標、「バイオシグネチャー」とも呼ばれる)と言えるのです。 熱水噴出孔の存在する可能性が指摘されている天体の一つが、土星の衛星エンケラドゥスです。この衛星の直径は約500キロメートルで、表面は約30キロメ
#NTT#HAPS#Starlink NTTが成層圏通信プラットフォーム「HAPS」の商用サービスを2026年に開始すると発表した。NTTドコモの法人向けプランとして提供し、後に個人向けに拡大する。さらに、グローバル展開も計画しているという。 HAPSとは、高度約20kmの成層圏に無人飛行機を滞空させて、そこから山間部や離島、砂漠といった地域に携帯エリアを構築する構想だ。いわば「空飛ぶ基地局」と呼べるもので、飛行機の動力源として太陽光発電とバッテリーを用い、地上への着陸は数カ月に1度とする。地上の基地局よりも高高度で見通しが効くため、数十機ほどで日本全域をカバーできる。 NTTグループは、スカパーJSATとの合弁であるSpace Compassを通じて、HAPSの技術開発を進めてきた。また、機体はエアバスの子会社AALTOが開発する「Zephyr」を採用する計画だ。同機体は無人航空機として
この地球上では、人間の活動によって排出される温室効果ガスが長年、熱い議論を呼ぶ問題となっている。なぜなら汚染物質として、人為的な気候変動の主な原因となっているからだ。だが、地球外の知的文明で意図的に利用されている温室効果ガスについては、どう考えられるだろうか。その目的は、惑星全体が氷に覆われる「スノーボールアース(全球凍結)」のような事態の発生から、自分たちの惑星を救うためなのか。あるいは、火星に似た凍った砂漠のような惑星をテラフォーミング(惑星改造)するためか、長期にわたる世界的な氷河期の影響を食い止めるためかもしれない。 天文学誌The Astrophysical Journalに掲載予定の論文では、こうした合成された温室効果ガスが太陽系外惑星の大気に含まれていることを示す「テクノシグネチャー(技術文明の存在指標)」を探索する理論的根拠を説明している。 過去の研究では、地球では数十年前
国立大学法人京都大学と住友林業株式会社は2024年5月28日、共同で開発に取り組んできた木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」の1号機が完成したと発表しました。【最終更新:2024年5月29日16時台】 【▲ 完成した木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」1号機のフライトモデル。住友林業のプレスリリースから(Credit: 住友林業, 京都大学)】LignoSatは京都大学と住友林業が2020年4月から開発に取り組んできた1Uサイズの超小型衛星(CubeSat)です。住友林業によると、同衛星は2024年6月4日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に引き渡され、2024年9月に打ち上げが予定されているスペースXの補給船「Cargo Dragon(カーゴドラゴン)」で国際宇宙ステーション(ISS)へ運ばれた後に、ISSの日本実験棟「きぼう」から放出される予定です。 地上から打
United Launch Alliance(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ULA)は日本時間2024年6月2日未明に同社の「Atlas V(アトラスV)」ロケットによるBoeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」の打ち上げを予定していましたが、発射まであと数分というところで中断され、打ち上げの延期が発表されました。【最終更新:2024年2024年6月3日17時台】 【▲ ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」が搭載されたユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケット。アメリカの現地時間2024年6月1日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】スターライナーはスペースXの「Crew Dragon(クルードラゴン)」とともにアメリカ航空宇宙局(NASA)のCommercial Crew Program(コマ
宇宙船「スターライナー」による初の有人飛行試験が打ち上げ直前に延期となった/Joe Raedle/Getty Images (CNN) 米航空宇宙大手ボーイングは1日、宇宙船「スターライナー」による初の有人飛行試験を打ち上げ直前に延期した。 スターライナーは米航空宇宙局(NASA)のウィルモア飛行士とウィリアムズ飛行士を乗せ、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から1日午後0時25分(日本時間2日午前1時25分)に、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットで打ち上げられる予定だった。 コンピューターシステムの自動停止機能により、発射予定時刻の3分50秒前にカウントダウンが止まった。飛行士は無事に脱出した。 NASAは同日深夜、次に打ち上げ可能となるのは5日午前10時52分だが、その時刻に実施するかどうかは未定だと述べた。さらに6日にも打ち上げ可能な時間帯があ
実業家の前澤友作さんが計画していた月を周回旅行するプロジェクトについて、アメリカの民間企業が開発している大型宇宙船の完成の見通しが立たないとして、1日にプロジェクトの中止が発表されました。 前澤さんは2021年に、日本の民間人で初めて国際宇宙ステーションの滞在に成功しましたが、その後、新たな宇宙旅行のプロジェクトを立ち上げ、100万人を超える応募者から、韓国のアーティストやアメリカのDJなど6か国8人を選び、月を周回して地球に帰還する1週間程度の旅行を計画していました。 しかし、1日にプロジェクトは、公式ホームページで計画の中止を発表しました。 中止の理由についてプロジェクトは、搭乗する予定だった大型宇宙船「スターシップ」の完成が、 ▽当初計画していた2023年からすでに遅れているうえに ▽実現の見通しも立たないことなどをあげています。 「スターシップ」は、アメリカの宇宙開発企業「スペース
中国の無人の月面探査機が、6月2日朝、月の裏側への着陸に成功したと、国営メディアが伝えました。6月2日からおよそ2日間かけて月の裏側の岩石などを採取して地球に持ち帰ることを目指していて、成功すれば世界で初めてとなります。 国営の中国中央テレビによりますと、5月はじめに打ち上げられた無人の月面探査機「嫦娥6号」は、日本時間の6月2日午前7時すぎに、地球からは見えない月の裏側への接近を開始し、およそ15分後、着陸に成功しました。 また中国の宇宙当局は、「嫦娥6号」が着陸時に撮影したとする映像を公開し、徐々に月面が近づく様子がうつされています。 着陸した地点は月の裏側の南極周辺で、飲み水や燃料としての利用が期待される水が、氷の状態で存在する可能性が指摘されています。 「嫦娥6号」は中継用の衛星を使って地球との通信を続け、この周辺で6月2日からおよそ2日間かけて土壌や岩石のサンプルを採取し、地球に
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く