九州大学(九大)は6月4日、ヒトの脳において、過去の出来事から未来を予測するだけでなく、時間的に後の出来事が直前の出来事の知覚・解釈に影響を与える「ポストディクション」が、対象の位置の知覚において強固に機能することを確認したと発表した。 同成果は、九大大学院 芸術工学府のシェリル・デヘス大学院生、同・大学大学院 芸術工学研究院の伊藤裕之主幹教授、同・兼松圭助教らの共同研究チームによるもの。詳細は、知覚研究に関する全般を扱う学術誌「i-Perception」に掲載された。 「saltation(跳躍)錯視(VSI)」は、ヒトが見たと感じたもの(視覚情報)が、必ずしも現実を真に反映したものではないことを明確に示す現象として知られている。特に、網膜に何も映っていない部分の視野に視覚的な対象が出現して見える現象であることから、脳によって構成される視覚体験を研究するために最適な錯視の1つであると考え