『苦海浄土』三部作を読んでいて、福島の原発でおきていることを思い浮かべずにはおられなかった。その著者である石牟礼道子さんはどう見ているのだろうか。うってつけの本があった。藤原新也との三日にわたる対談だ。藤原新也といえば、おおよその著作というと言い過ぎだけれども、わりと本の山の一角を占めているし、おれが持っているエロくない写真集はすべてこの人のものである。 が、なにかこう、藤原新也には油断できないところがあって……。 藤原新也『黄泉の犬』を読む - 関内関外日記(跡地) ということは、『黄泉の犬』の感想で書いた。そうか、『苦海浄土』以前に少し水俣病について触れていたのだ。まあともかく、確かなところはたしかだけど、うっかりついていくわけにはいかねえな、という人なのだ。おれにとってはね。 して、2011年6月13日から3日にわたる対談である。福島で起きていることについて……さて、非常に冷めた物言