タグ

bookとdiaryに関するmfluderのブックマーク (165)

  • 「いいね」を1万もらっても、1万人の行動が変わるわけではない 自称「自信がない小児科医」が医療発信で大事にしていること

    医療担当として多くの医師を取材してきて、「教えて!ドクター」を運営する坂昌彦先生は、独自の雰囲気をまとっているなといつも感じてきました。 控えめで、患者さんや読者、そして記者に対してもまったく威圧的でなく、怖がらせることをしない。取材したり、記事を読んだりした後に、ほのぼのと温かい安心感が残る。 だけど、絶妙なタイミングで健康に関する大事なことを発信し、しかもしっかり伝わっている。 医療情報を発信する者として、そんな坂先生の佇まいから、より良い届け方を学びたいと思いました。 教えて!坂先生! 意外!? 僕は自信がない——前から坂先生は控えめで、誰に対しても威圧的でなくて、でも医療者ともそうでない人とも誰とでも仲良くタッグを組み、取材しても記事を読んでも安心できる理想的な医療情報の発信だなと思っていました。 自分ではそれはよくわからないですね。でもたぶん、そう思われるかもしれない一つ

    「いいね」を1万もらっても、1万人の行動が変わるわけではない 自称「自信がない小児科医」が医療発信で大事にしていること
  • 『ソ連兵へ差し出された娘たち』“数え年で18歳以上、未婚” その慟哭は今も聞こえる - HONZ

    1945年8月9日、ソ連の対日戦参戦によって満州開拓団の日人移民は祖国に捨てられた。日に引き揚げるまでの悲惨な生活は、さまざまな小説や手記によって明らかにされてきた。だが、女性たちの経験を語ることはタブーとされてきた。 著者は中国残留孤児の取材中、ソ連兵が日人女性を襲うという蛮行の裏に、日人集団内の支配関係によって強いられた犠牲があったことを知る。開拓団の人から頼まれてソ連兵のところへ行かされた、というのだ。調査を続けるうち岐阜県黒川村を中心に満州へ渡った黒川開拓団の女性からの協力を得た。 取材の数か月前に亡くなったという犠牲者のひとり、善子さんは「乙女の碑」という4ページの詩を残していた。その一節を引く。 乙女の命と引き替えに 団の自決を止める為 若き娘の人柱 捧げて守る開拓団 残された日人には集団自決か、死を覚悟して脱出するか、この場で生き残りに賭けるか、しか選択肢はなかった

    『ソ連兵へ差し出された娘たち』“数え年で18歳以上、未婚” その慟哭は今も聞こえる - HONZ
  • 『差別はたいてい悪意のない人がする』特権という厄介で見えにくいことを考える - HONZ

    差別はつねに、差別によって不利益をこうむる側の話である。差別のおかげで知らぬうちにメリットを得る側の人が、自ら立ち上がって差別を語ることはしない。ただ、よーく考えれば、差別される側になる可能性があるのであれば、差別する側になることだってあるはずということに気がつける。 「もうすっかり日人ですね」 「希望を持ってください」 この2つの声がけは一見褒めていたり、励ましていたりする言葉のように見える。だが、前者は国外から日移住した人たちに、後者は障害者に対する代表的な侮辱表現の例としてあげられる。このように日常の会話の中に、悪意のない差別が潜んでいる。 特定の言葉を口にしないよう、注意すればいい。それだけではすまない。このような言葉がなぜ侮辱することにあたるのかを理解しなければならないのだ。実はその方法はそこまで難しくない。当事者に聞いてみることだ。 著者は、移民,セクシュアル・マイノリテ

    『差別はたいてい悪意のない人がする』特権という厄介で見えにくいことを考える - HONZ
    mfluder
    mfluder 2021/11/09
    “本書ではじめて知った言葉がある。トークニズムである。ある集団にマイノリティ(被差別集団)の構成員のごくわずかを受け入れることである。建前主義、体裁主義と訳されることもある”
  • あんたは『第五の季節』を読む - 関内関外日記

    第五の季節 〈破壊された地球〉 (創元SF文庫) 作者:N・K・ジェミシン 東京創元社 Amazon これは、世界の終わりの物語―数百年ごとに“第五の季節”と呼ばれる破局的な天変地異が勃発し、文明を滅ぼす歴史がくりかえされてきた超大陸。その世界には、地球と通じる能力を持つがゆえに虐げられる“オロジェン”と呼ばれる人々がいた。そんな中、あらたな“季節”が到来しようとしていた…。前人未踏、3年連続で三部作すべてがヒューゴー賞受賞。新時代の破滅SF。 あんたはSFをカート・ヴォネガットとフィリップ・K・ディックから読み始めた。正確に『チャンピオンたちの朝』と『ザップ・ガン』からだ。そのあとあんたは、SFオールタイムベスト的な作品を読んだ。ウィリアム・ギブスンの文体にはしびれた。 だが、その次は? あんたはSF雑誌のこともよく知らない。だが、こんなことに気づいた。表紙か帯に「ヒューゴー賞」、「ネ

    あんたは『第五の季節』を読む - 関内関外日記
  • 『令和元年のテロリズム』令和日本のいびつな自画像 - HONZ

    ひとつの犯罪が時代を象徴することがある。 令和元年(2019年)5月28日、朝7時40分頃、小田急線とJR南武線が交差する登戸駅近くで、男がスクールバスを待っていた児童や保護者らを次々と包丁で刺した。男は終始無言で凶行に及び、20メートルほど走って逃げた後、突然自らの首を掻き切り絶命した。この間わずか十数秒だった。 犯人によって小学6年生の女の子と39歳の保護者の男性が命を奪われた。また17名の児童と保護者1名が切りつけられ、このうち女児2名と保護者は重傷を負った。これが令和の幕開けに社会を震撼させた「川崎殺傷事件」(川崎市登戸通り魔事件)である。 この事件が「令和元年」を象徴しているというと驚く人がいるかもしれない。わずか2年前のことなのに事件は早くも世間の記憶から薄れつつあるようにみえるからだ。そもそもあなたはこの事件の犯人の名前を覚えているだろうか?また当時、著名人がメディアで発した

    『令和元年のテロリズム』令和日本のいびつな自画像 - HONZ
  • 『保身 積水ハウス、クーデターの深層』変われないこの国を描く骨太の経済ルポ - HONZ

    読み終えた途端、深いため息が出た。かつて「全員悪人」というキャッチコピーの映画があったが、さしずめ書は「登場人物、全員小物」といったところだ。だが、小物ばかり出てくるのにページをめくる手が止まらない。それはこの小物が私の中にも棲んでいるからかもしれない。このにはまぎれもなく私たちの姿が描かれている。 そのクーデターが起きたのは、2018年1月24日のことだった。住宅メーカーのリーディングカンパニー積水ハウスの取締役会で、会長職にあった和田勇が、社長の阿部俊則が提出した動議によって事実上の解任に追い込まれたのだ。 これは実に奇妙なクーデターだった。取締役会に先立つ2017年6月、積水ハウスは地面師詐欺に遭い、55億5900万円を騙し取られていた。事件をきっかけに立ち上げられた調査対策委員会は、経緯をつぶさに検証した結果、来「騙されるはずがなかった事件」だとして、社長の阿部に経営上の重い

    『保身 積水ハウス、クーデターの深層』変われないこの国を描く骨太の経済ルポ - HONZ
    mfluder
    mfluder 2021/06/03
    “かつて「全員悪人」というキャッチコピーの映画があったが、さしずめ本書は「登場人物、全員小物」といったところだ。だが、小物ばかり出てくるのにページをめくる手が止まらない”
  • 世紀の奇書?『土葬の村』は貴重な民俗的資料である - HONZ

    埋葬には宗教による違いがある。イスラム経は土葬のみだし、キリスト教でも死者の復活という教えがあるので土葬が望まれる。国、地域別の火葬率は、米国52%、イギリス77%、ドイツ62%、フランス40%、イタリア24%、カナダ71%、ロシア10%、台湾97%、香港93%、韓国84%、タイ80%(2016年、2017年の資料)である。日では、いまやほとんどが火葬なので、我々から見ると意外なまでの高率だ。 明治時代には、火葬は仏教僧が推進するものであるという神道派の主張により、二年後に廃止されたとはいえ「火葬禁止令」が布告されたことすらある。しかし、2017年の統計では、99.97%が火葬で、残りの0.03%が土葬であるにすぎない。およそ4000人ほどなので、すごく少ないけれども、同時に、まだそれくらい残っているのかという気がする数字である。 『土葬の村』は、タイトルのとおり、土葬の習慣の残る村の記

    世紀の奇書?『土葬の村』は貴重な民俗的資料である - HONZ
  • 『分水嶺』専門家たちの葛藤を描いた傑作ノンフィクション - HONZ

    何か不測の事態を前にすると、読みの習性でついに手が伸びてしまう。 中国・武漢で発生した原因不明の肺炎に世間が注目し始めた頃、読み直さねばと書棚からひっぱり出したのは、『パンデミックとたたかう』というだった。 このは、SF作家の瀬名秀明氏が東北大学医学系研究科教授(当時)の押谷仁氏と新型インフルエンザについて議論を交わしたものだ。2009年に出ただが、押谷氏の発言に教えられるところが多く、その名が強く印象に残っていた。 付箋を貼っていたところをいくつか抜き出してみる。 「感染症の危機管理の基は、わからないなかで決断をしなくてはいけないことです。その最終的な判断は、やはり政治家がすべきだと私は思います」 「ウイルス性肺炎は、現代の医療現場でも、治療するのが非常に厳しい肺炎です」 「重症者が多発した場合の治療の課題は、医療体制の問題として、日はICUのベッドや人工呼吸器が限られてい

    『分水嶺』専門家たちの葛藤を描いた傑作ノンフィクション - HONZ
    mfluder
    mfluder 2021/04/19
    “この本は間違いなく歴史に残る一冊である。なぜなら本書には、危機に際して私たちはなぜ間違えてしまうのかが書かれているからだ。またその失敗を真摯に受け止めて、前に進もうとした人々がいたことも”
  • ルソー『人間不平等起源論』を読む - 関内関外日記

    人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫) 作者:ジャン=ジャック ルソー 発売日: 2008/08/07 メディア: 文庫 所有という観念の発生 ある広さの土地に囲いを作って、これはわたしのものだと宣言することを思いつき、それを信じてしまうほど素朴な人々をみいだした最初の人こそ、市民社会を創設した人なのである。 おれはこの一節、どこかべつのほんで引用されていたこの箇所を確かめたいがためにこのを読んだ。この一節はこう続く。 そのときに、杭を引き抜き、溝を埋め、同胞たちに「この詐欺師の言うことに耳を貸すな。果実はみんなのものだし、土地は誰のものでもないそれを忘れたら、お前たちの身の破滅だ」と叫ぶ人がいたとしたら、人類はどれほど多くの犯罪、戦争、殺戮を免れることができただろう。どれほど多くの惨事と災厄を免れることができただろう。 そのとき、「叫ぶ人」はいなかった。人類は悲惨になった。 しかし一

    ルソー『人間不平等起源論』を読む - 関内関外日記
  • 『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション! - HONZ

    書のプロローグは、「青森のりんごの形が良いのは、季節ごとに、こまめに手当てをするからだ」という、青森在住のわたしにとっては、不意を突かれる一文ではじまります。 なぜ、アルツハイマーので、青森のりんごなのか? その理由はすぐにわかりました。青森には、家族性アルツハイマーの大きな一族があるというのです。長身で美男美女の多いその一族は、おそらくは結婚相手に困ることはなかったのでしょう、よく繁栄したといいます。しかしどういうわけか、四十代、五十代になると、おかしなことが起こる。二戸陽子さん(仮名だそうです)の身にも、それが起こります。四十歳になる頃からりんごの作業ができなくなり、やがて、りんごの収穫期に、りんごの実ではなく、葉っぱを摘んで持ち帰るようになる。すると一族の人たちは、こうささやきあったそうです。「これはまきがきたのかもしれない」 ここでわたしはまたしても、ドキッとしました。「まき」

    『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション! - HONZ
    mfluder
    mfluder 2021/01/12
    “その家の生活習慣や食文化、あるいはいわゆる文化資産に関係するようなものものまで含めて、その家の者として生れ落ちたときから背負っているさまざまな事柄が、「まき」という言葉で表現されていた”
  • 『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 こうして私は職業的な「死」を迎えた』げに恐ろしき、出版界の裏事情を綴る真摯な暴露本 - HONZ

    『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 こうして私は職業的な「死」を迎えた』げに恐ろしき、出版界の裏事情を綴る真摯な暴露 このをここで紹介していいものか迷ったが、著者の真摯な姿勢に心を動かされたので、おもねらずにレビューしてみたい。 書は、ベストセラー『7つの習慣 最優先事項』の訳で一躍売れっ子翻訳家になった著者が、出版社との様々なトラブルを経て業界に背を向けるまでの顛末を綴った、げに恐ろしきドキュメントだ。 驚くことに、名前こそ伏せてあるが、理不尽な目に遭わされた出版社のプロフィールが文や帯でずらずら書かれている(業界歴の長い人ならすぐにわかるのではないか)。著者の名前をネットで調べれば翻訳を担当した書籍がばんばん出てくるし、もはや告発書、暴露と言っても過言ではない。 まずは著者が経験した「天国」から。 出版翻訳家を夢見たのは21歳のとき。大学卒業後は大学事務員、英会話講師、

    『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 こうして私は職業的な「死」を迎えた』げに恐ろしき、出版界の裏事情を綴る真摯な暴露本 - HONZ
    mfluder
    mfluder 2020/12/09
    “興を削ぐといけないので、ここはあえて詳述しない。恐怖小説にも引けを取らぬ、このおぞましくどこか滑稽な人間模様はぜひ買って読まれたい。 それにしても、出版社とはこんなにも不誠実なものなのだろうか”
  • 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』 - 紙屋研究所

    映画のネタバレが少しあります) リモート読書会の題材となったので、石牟礼道子『苦海浄土』を初めて読んだ。恥ずかしながらそれまで一度も読んだことはなかったのである。 新装版 苦海浄土 (講談社文庫) 作者:石牟礼 道子 発売日: 2004/07/15 メディア: 文庫 なんの知識もなく読んだが、途中から違和感を抱いた。 これは当に誰かがしゃべったことなんだろうか? そしてその「聞き書き」なんだろうか? 江津野杢太郞という9歳の水俣病患者の家族を記したところで、その祖父、爺さまがとともに漁をすることを語る次のような言葉を読んだ時にそう感じた。 あねさん、魚は天のくれらすもんでござす。天のくれらすもんを、ただで、わが要ると思うしことって、その日を暮らす。 これより上の栄華のどこにゆけばあろうかい。 寒うもなか、まだ灼け焦げるように暑うもなか夏のはじめの朝の、海の上でござすで。水俣の方も島原

    映画『82年生まれ、キム・ジヨン』 - 紙屋研究所
    mfluder
    mfluder 2020/11/04
    “だから、まさにジヨンは小説や文学を書くべき人であった。最終的に彼女が小説を書き始めたのはとてもよくわかる”
  • 石牟礼道子『苦海浄土』 - 紙屋研究所

    リモート読書会は石牟礼道子『苦海浄土』だった。 新装版 苦海浄土 (講談社文庫) 作者:石牟礼 道子 発売日: 2004/07/15 メディア: 文庫 水俣病について書かれたということは有名なだが、果たしてこれはノンフィクションなのか、小説なのか。石牟礼は「新しい形式の詩」だという。一読して、その意味がわかった。なるほど「詩」である。 つれあいも言っていたのだが、書を読む前は「水俣病について書かれたものだから、きっと有吉佐和子『複合汚染』のようなルポなのだろう」と思っていた。しかしそうではなかった。「社会問題としての水俣病がわかる」というではなかったのである。 率直に言って、水俣病(の概要)について知り、環境問題について学ぼうと思うのであれば、入門としてもっと「適切」ながたくさんある。 ぼくは書を読んで、水俣病そのものの中身ではなく、まず「文学」としてのインパクトを受けた。 その

    石牟礼道子『苦海浄土』 - 紙屋研究所
    mfluder
    mfluder 2020/11/04
    “言葉を奪われた者の言葉を「呪術師」のように紡ぎだすのだとしたら、わかりやすい怒りや恨みが出てくるわけではない。こんなふうになるのかもしれない。 しかし、そうした一面性こそが石牟礼の文学の魅力なのだろ
  • 匿名ダイアリー「タイムトラベルものの小説でおすすめ教えて」 - カレーなる辛口Javaな加齢日記

    https://anond.hatelabo.jp/20200309194930 基、タイムトラベルものはあまり好きじゃないです。読んでてやきもきするし、そのわりにワンパターンなので好きじゃない。 現在or未来を変えるために過去であれこれする→うまくいかない→もっかいあれこれする→今度はうまく行った、みたいな。 以下、私のタイムトラベル小説遍歴(しょぼい)。 うーん,それは世間で紹介される奴が,「単純な」タイムトラベルものになりがちだからでは.面白い奴はそれなりに手が込んでる分だけ「難解に」なり易く,初心者にはお勧めしにくい.馴れてない人には理解出来ないし,仮に理解出来ても疲れるだけで面白くない. 以下、私のタイムトラベル小説遍歴(しょぼい)。 『夏への扉』どこがどう名作なのか説明してほしい 『ふりだしに戻る』情景描写は好き 『時をかける少女』1967年刊だって!初出は『中学三年コース』

    匿名ダイアリー「タイムトラベルものの小説でおすすめ教えて」 - カレーなる辛口Javaな加齢日記
  • 上西充子『呪いの言葉の解きかた』 - 紙屋研究所

    昨年ぼくは「ご飯論法」の命名者の一人として流行語大賞をいただいた。「朝ごはんをべましたか?」という問いに、米飯はべていないがパンはべたという事実を隠して「ご飯はべておりません」と答弁する……このタイプのごまかしを安倍政権がやっているのではないか、という欺瞞の告発が形になったものが「ご飯論法」というネーミングであった。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com だがぼくの方の受賞はおまけみたいなもので、実際には、共同受賞した上西充子・法政大教授がこの手法を見抜き、暴いたことがまさに受賞の中心である。 受賞の時に会場の近くのスタバで初めてお会いしたが、その時も、上西はこの論法が従来の霞ヶ関文学による単なる「ごまかし答弁」「あいまい答弁」とはどう違うかを厳密にぼくに語っていた。ぼくのツイッターのタイムラインに上西のツイートが流れてくるが、“リベラルっぽいツイート”に雰囲

    上西充子『呪いの言葉の解きかた』 - 紙屋研究所
  • 石牟礼道子/藤原新也『なみだふるはな』を読む - 関内関外日記

    『苦海浄土』三部作を読んでいて、福島の原発でおきていることを思い浮かべずにはおられなかった。その著者である石牟礼道子さんはどう見ているのだろうか。うってつけのがあった。藤原新也との三日にわたる対談だ。藤原新也といえば、おおよその著作というと言い過ぎだけれども、わりとの山の一角を占めているし、おれが持っているエロくない写真集はすべてこの人のものである。 が、なにかこう、藤原新也には油断できないところがあって……。 藤原新也『黄泉の犬』を読む - 関内関外日記(跡地) ということは、『黄泉の犬』の感想で書いた。そうか、『苦海浄土』以前に少し水俣病について触れていたのだ。まあともかく、確かなところはたしかだけど、うっかりついていくわけにはいかねえな、という人なのだ。おれにとってはね。 して、2011年6月13日から3日にわたる対談である。福島で起きていることについて……さて、非常に冷めた物言

    石牟礼道子/藤原新也『なみだふるはな』を読む - 関内関外日記
  • キモくて金のないおっさんの文学論~『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』 - wezzy|ウェジー

    少し前にインターネットを騒がせていた言葉に「キモくて金のないおっさん」というものがあります。これは社会的弱者であるが権利運動とか救済の対象として想定されていない男性を指す俗語です。 このおっさんたちはどうやら非常に社会的、経済的に苦しい状況に置かれている一方で、マイノリティとして見えづらいため女性とか少数民族、セクシュアルマイノリティ、障害者などに比べると自己主張しづらい状況に置かれているそうです。「キモくて金のないおっさん」については、こうした不可視化、つまり存在が認識されていないことが問題だと考えている人が多いようです。 しかしながら、私の見るところ、文学史上にはあまたのキモくて金のないおっさんが登場します。そこで今回は私が個人的にキモくて金のないおっさん文学の名作だと思っている、ジョン・スタインベックの『二十日鼠と人間』と、アントン・チェーホフ『ワーニャ伯父さん』をとりあげ、古典がど

    キモくて金のないおっさんの文学論~『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』 - wezzy|ウェジー
    mfluder
    mfluder 2017/11/11
    “キモくて金のないおっさんが社会から無視されてきたと思われる方もいるようですが、実は近現代文学はこのようなおっさんの宝庫です”
  • 『人を襲うクマ』すべて自己責任、なのか? - HONZ

    大正4年に北海道の開拓集落で死者8人を出した、三毛別ヒグマ襲撃事故。昭和45年に大学生のワンゲル部員3人が亡くなった、日高山脈でのヒグマ事故。記憶に新しいところでは、昨年5月に秋田県鹿角市で起きた4件のツキノワグマによる死亡事故。人とクマとの軋轢、その歴史は長い。 だが、書でも「クマが人を襲う理由も、99%以上はクマが自分自身の安全を確保するための防御的攻撃である」と解説されているように、上記のようなケースは例外中の例外である。それでも毎年、クマによる人身事故は発生するし、それがネットニュースなどで流れるたびに、コメント欄には「被害者の自己責任論」が投稿される。 しかし、書を読了後も、すべての事故を「自己責任」と言えるだろうか――? 書は、上述の日高山脈での事故の詳細や、クマをよく知る猟師の話、実際に襲われた人たちへのインタビュー、専門家による解説を柱に展開される。「無知で無謀な行為

    『人を襲うクマ』すべて自己責任、なのか? - HONZ
    mfluder
    mfluder 2017/10/18
    “女性を助けたい一心だった。次の瞬間、クマは驚くべき速さで立ち上がり、男性の頭部へ前脚をふりおろした。「その一撃で右目がぽろっと落っこっちゃって、上の歯もなくなりました」”
  • 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』人間の卑劣さと高潔さを徹底して描き出す - HONZ

    2007年8月24日、名古屋市内に在住の31歳の女性会社員、磯谷利恵さんが帰宅途中に男三人に拉致されて殺害され、岐阜県の山中に捨てられるという事件が起きた。犯人の一人が直後に警察に電話をかけて自首し、女性の遺体が発見されたことで事件が発覚した。 後に「名古屋闇サイト殺人事件」と名付けられたこの事件の犯人たちは、犯罪を行う仲間を募集するインターネットサイト「闇の職業安定所」という掲示板を通じて知り合い犯行に及んだ。事件は仲間を募る書き込みをしてから8日後、顔を合わせてから3日後に起こった。 事件があまりにも残虐で無計画なものだっただけに、マスコミは大きく報道した。「闇サイト」の存在が明るみになった頃で注目度も大きかった。実際、私もこの事件はよく覚えている。顔も見たことがない、縁もゆかりもない男たちが、金品強奪の目的のため一人で歩いている若い女性をターゲットにした、という恐怖と怒り。屈強の男三

    『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』人間の卑劣さと高潔さを徹底して描き出す - HONZ
    mfluder
    mfluder 2017/01/25
    “名古屋闇サイト殺人事件”
  • 『海を渡る「慰安婦」問題——右派の「歴史戦」を問う』から「はじめに」

    執筆者:山口智美 『海を渡る「慰安婦」問題—右派の「歴史戦」を問う』(岩波書店2016)から「はじめに」の文章を掲載します。PDFで読まれたい方は岩波書店サイトからダウンロードできます。 「はじめにーー 海外展開を始めた日歴史修正主義者たち」 「歴史戦」と称して、日の右派が「慰安婦」問題を中心とした歴史修正主義のメッセージを、海外に向けて発信する動きが活発になっている。 歴史修正主義の動きは今に始まったわけではないが、第二次安倍政権発足後、政府による河野談話作成過程の検証や、2014年の『朝日新聞』の「慰安婦」報道の再検証後のバッシングを経て、右派、および政府の海外に向けた発信や、海外での右派在外日人、大使館や領事館の動きが加速した。書は、こうした海外展開の実態を明らかにし、日政治・社会の歴史修正主義を問うことを目的とするものである。 「歴史戦」という言葉を広めたのは、現在も

    『海を渡る「慰安婦」問題——右派の「歴史戦」を問う』から「はじめに」