筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、衰弱性の症状が出現するかなり以前に始まると考えられ、この知見が最終的に有効な治療につながる可能性のあることが新しい研究によって示された。疾患発症前の、損傷発生後にのみ出現する細胞内の蛋白(たんぱく)凝集(protein clumps)が、ALSにおけるの麻痺(無力)化の経過原因であるという。 米フロリダ大学マックナイトMcKnight脳研究所(ゲインズビル)のDavid Borchelt氏らの研究の結果、“蛋白集合体(protein aggregates)”と呼ばれる、欠陥蛋白質と細胞内容物の凝集体の形成が、ALSの急速な進行に実際的なシグナルを送ることが明らかにされた。 ALSは約3万人の米国人にみられ、脳から脊髄、さらに筋肉へ伸びる神経細胞が死滅する。原因は不明だが、症例の最大20%では遺伝的な欠陥遺伝子が疑われている。Borchelt氏らは、これは脳内