「著名人の事件でもないのに、なぜこんなに多くの人がいるのか」。横浜地裁で開かれた、ある被告の刑事裁判で、記者は3月以降、疑問を持ち続けていた。 <横浜市教育委員会は21日、2019年度から今年4月にかけて横浜地裁で公判があった教員によるわいせつ事件で、多数の職員を動員して法廷の傍聴席に行かせ、一般の人が傍聴できないようにしていたと発表した。>
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関し、岸田文雄首相が党としての処分や再発防止策の検討を表明して幕引きを急いでいる。安倍派や二階派の幹部らは衆参の政治倫理審査会で「知らない」「分からない」と繰り返し、裏金づくりの経緯は解明されていない。このまま処分や再発防止を進めても、国民の信頼回復は難しい。野党はさらなる政倫審の開催や、安倍派幹部らの証人喚問での徹底追及を要求し、実態解明を迫る。(大野暢子) 立憲民主党と日本維新の会、共産党、国民民主党は19日の野党の国対委員長会談で、自民議員計10人の衆参政倫審での弁明について「実態の解明には全くつながらなかった」との認識で一致。政治資金収支報告書にキックバック(還流)の不記載があった衆院議員51人のうち、まだ弁明していない45人の政倫審への出席を求めた。 政倫審の審査は、疑惑について弁明したい議員本人が申し出るか、衆院では25人いる委員の3分の
菅義偉(すがよしひで)前首相による2020年の日本学術会議会員の任命拒否を巡り、任命を拒否された学者6人や法学者ら計169人が20日、国が判断過程を記した公文書を開示しないのは違法だとして、不開示決定の取り消しなどを求める訴えを東京地裁に起こした。提訴後に東京都内で記者会見した原告らは、「外すべき者」との文字の下に6人の名前や肩書が列記された公文書を初めて公開し、「権力が介入した過程を裁判で明らかにする」と語った。
統一地方選で、議会の勢力図が激変したのが東京都杉並区だ。女性の当選者が男性を上回り、現職や最大勢力の自民党の候補が大量落選。新陳代謝を印象づけた。変化を引き起こしたものは何か。(原田遼)
安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、配川(はいかわ)博之元公設第一秘書(62)が政治資金規正法違反罪で罰金100万円の略式命令を受けた事件で、関与した東京の秘書が「夕食会はあくまで後援会とホテルとの契約だった」と供述していたことが、本紙の請求で開示された配川氏の刑事確定記録で分かった。 安倍氏は国会答弁で、契約主体について当初「あくまでも個々の参加者だ」とし、政治資金収支報告書に記載すべき収支はないと強調していた。秘書は「ホテル側と個々人で契約を結ぶという意識は全くなかった」と述べており、答弁との矛盾が改めて浮き彫りとなった。 安倍氏は一人5000円の参加費について「ホテル側が設定した」と当初述べていたが、秘書は「飲食の無料提供を問題視されないよう、一人5000円徴収することを配川氏と決めた」と供述。ホテル名義の領収書を参加者に渡したことに「普通でないやり方な
外国人労働者受け入れを拡大する入管難民法などの改正案を巡り、立憲民主党など野党七党派は三日、失踪した技能実習生から聞き取ったすべての生データ(聴取票)の書き写し作業を終え、集計結果を公表した。およそ三人に二人が失踪前、最低賃金を下回るような給与水準で働いていたとしている。 野党が書き写したのは、法務省が二〇一七年に失踪者二千八百七十人から聴いた聴取票。一部の聞き取りに重複があったとみられ、計二千八百九十二枚。十一月十九日から衆院法務委員会などの理事らに閲覧が認められ、野党が書き写しを続けてきた。今回すべての集計を終えた。 野党が、書き写した聴取票から時給を計算したところ、千九百三十九人(67・0%)が一六年の全国最低賃金(七百十四円)を下回った。野党は、回答した失踪者の多くは一六年に働いており、賃金を含む過酷な労働環境に耐えかねて失踪したとみている。失踪の動機では「危険」「指導が厳しい」「
下村博文(はくぶん)・元文部科学相の政治資金に関する情報公開請求があった二〇一四年十月当時、下村氏の事務所日報に「菅(すが)官房長官 大臣秘書官より 一昨日、マスコミから総務省に開示要求が入りました」と記載されていることが分かった。開示請求の二日後の十月二十三日付の日報で、本紙は週刊文春を通じ、印字された日報データを入手した。当時、日刊ゲンダイの記者が文科相だった下村氏はじめ、全閣僚の政治資金管理団体の少額領収書の公開請求をしており、総務省側から請求情報が漏えいした可能性がある。(望月衣塑子) 少額領収書は各政治団体が保管し、総務省や都道府県選管に情報公開請求があると、政治家側は、同省などに写しを提出する仕組みになっている。日報には、菅義偉(よしひで)氏の秘書官から「総務省より、少額領収書の開示要求がきます。それが届いたら、二十日までの期日を、三十日まで必ず延長してください」「この連絡は厳
毎月勤労統計の調査方法変更を巡り、厚生労働省の有識者検討会が二〇一五年九月に中間報告をまとめた際、調査方法変更に慎重な意見が出ていたのに、厚労省がこうした部分に触れず趣旨の異なる実質的な虚偽文書を作り、政権の意に沿うような内容で総務省の統計委員会に示していたことが、統計委の会議資料で分かった。経済財政諮問会議で、麻生太郎財務相ら閣僚が調査方法の変更を統計委に求めていた時期と重なる。 (井上靖史) 厚労省が作成したのは、「検討会の主な意見」などとタイトルが付いた文書。厚労省の有識者検討会が一五年六~九月に六回開かれた後の同十二月、統計の見直しを話し合う統計委の部会で、同省雇用・賃金福祉統計課の課長(当時)が示した。 検討会は、統計の調査対象とする中規模事業所のサンプルについて、二~三年に一度、全数を入れ替えるやり方から毎年一部を入れ替えるやり方に変えることは事務負担が増すなどの懸念から、「合
総務省統計委員会の西村清彦委員長が多忙を理由に国会審議に協力しない意向を示したとする文書を、総務省職員が西村氏に無断で作成し、野党に示していたことが二十五日、明らかになった。西村氏は不快感を示し、石田真敏総務相は衆院予算委員会で陳謝した。 文書は総務省が二十二日に衆院総務委の野党理事らに配布した。西村氏本人の弁として「統計委員長は非常勤の時間給のアルバイト公務員でしかなく、私は本務として研究教育、企業関連の取締役や顧問の仕事を抱えている」と説明。「これ以上、本務に支障をきたす形では協力できない」と国会審議への出席に応じない考えを示した。署名や日時は記していない。 これに対し、西村氏は二十五日、総務省を通じて野党側に書面で「そのような『文書』を提出するように指示したことはない。極めて遺憾だ」と伝えた。国会審議については「重要性は強く認識している。研究教育等の本務に支障のない限りにおいて、国会
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