日本大学アメリカンフットボール部員の大麻問題をはじめ、大学の運動部員の薬物事案が目立っている。「就職と体育会系神話」などの著書がある京都先端科学大の束原文郎准教授(スポーツ社会学/マネジメント)は「日本における大学とスポーツの問題を知り、一緒に考える必要がある」と話す。学生アスリートが置かれている環境について聞いた。 ――学生アスリートの大麻汚染の状況をどう見ていますか。 「まず最初に言わなければいけないのは、学生アスリートが薬物に走りやすいかどうかは、一般学生と比較する調査がなされておらず、何とも言えないということです。ただ、おそらく大学生全体に蔓延(まんえん)していて、その中で一定数の学生アスリートが関わっているのは事実でしょう。その背景として考えられることなら、自分の調査結果からある程度、示すことができます」 ――どんな背景でしょうか。 「まず、私立大において、スポーツ推薦を主とする