織田信長、豊臣秀吉、それに徳川秀忠が、京都の警察業務を担当していた組織に対して権益を認めることなどを記した「朱印状」と呼ばれる書状が3点まとまった形で確認され、調査を行った専門家は「この組織と天下人との関係が総合的に分かり、非常に貴重だ」としています。 室町時代から江戸時代の京都では、4つの家からなる「四座雑色(しざぞうしき)」と呼ばれる組織が、ろう屋の管理や要人の警護などの警察業務を担当していました。 このうち1つの家に伝わったとみられる、およそ80点の文書を東京都内の男性が古美術商から購入し、東京大学史料編纂所が調査しました。 調査を行った村井祐樹准教授によりますと、このうちの3点は、織田信長、豊臣秀吉、それに徳川秀忠の3人の天下人が出した書状の原本と判断されました。 それぞれ後世の写しが残されていますが、立場の上の人が目下の人に出す「朱印状」だったことが新たに分かったということです。