『響け!ユーフォニアム』・『響け!ユーフォニアム2』は、何かを決めるとは、選ぶとはいかなることなのか、それはどのような意味を持つのか、そのような問いを提起した。その問いに対する回答の輪郭を粗描することが、さしあたってのこの文章の目的である。 「なんとなく」決めること 私たちが何事かを選ぶとき、そこにどのような機制をが働いているのか。それをおおざっぱに整理するならば、「なんとなく」選ぶか、「決然と」選ぶか、という両極を想定することができるだろう。私たちはたぶん、食事を選ぶとき、何か身近なものを買うとき、ぼんやりとテレビのチャンネルをザッピングしているとき、等々、おそらく「なんとなく」なにかを選び取っている。一方で、例えば自分の将来の進路を選ぶとき、高価な買い物をするとき、重大なことを他者に告げるとき、私たちは「なんとなく」は決めないだろう。そこに賭けられる感覚のことを決然さとここでは名指し、