10月下旬にDNAの構造を決定した研究者の1人として世界的有名なジェームズ・ワトソン博士が来日した。同博士らのDNAの構造モデルの発表が1953年であるから、DNAの2重らせん構造が発表されてから、今年は早くも55年目にあたる。バイオの話題といえば、今年は、年明けからiPS細胞の話題が沸騰し、旋風のごとく世間を席巻した。早くも10年近く前のことになるが、2000年に年初からヒトゲノム情報の全解析のニュースが世界を駆け巡り、空前のゲノムベンチャーブームが巻き起こったことが懐かしく思い出される。iPS細胞はどちらからといえば、技術進歩に関する話題であるが、今年は日本のバイオビジネスの新しい動きにも事欠かない年である。 それでは、注目の話題を列挙してみよう。1つは、日本の大手製薬企業によるバイオベンチャー買収の活発化である。日本の製薬企業による外国バイオベンチャーの買収は海外でも注目のトピックと