民主主義の「挫折経験」に学ぶ もはや驚くべきことではないのが困ったものだが、2019年7月の参議院議員選挙でも半分以上の有権者は投票所に脚を運ばなかった。しかも若者の投票率はもう一回り低い。民主主義は過去のものとなりつつあるのだろうか? その言葉が輝いて見えた時期も、そう遠くない過去にあったはずなのだが。 この問いに対しては様々なアプローチが可能だが、本稿ではドイツの政治教育の視点から考えてみたい。 ちょうど100年前にヴァイマル共和国という民主主義国家を築いておきながら、それを安定させることに失敗し、ナチスによる全体主義体制を導いてしまったドイツでは、戦後、その失敗への反省も一つの動機となって、民主主義を守るための政治教育とその学が発展した。 この政治教育学は、政治教育を持つ民主主義と、それを持たない民主主義とを区別する。また、そこでは、人間は学習を通して民主主義者になるのであって、民主
![日本の若者の「政治ぎらい」と〈政治教育〉の深い関係(近藤 孝弘) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d5cf0da413858b84b48041fc9eb5bbf053f643a9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2F4%2F1200m%2Fimg_84e0761709d07f22b60fc68676ca5006411364.jpg)